(1)(仮称)小平市第四次長期総合計画の策定により多くの市民の意見を
市は、2021年度からの第四次長期総合計画の策定の基本方針を定め、その基本構想に市民の意見を取り入れるため、無作為抽出した市民2,000人を対象に、アンケートや市民ワークショップを開催しました。また、今年4月には、「小平市長期総合計画基本構想審議会」の市民委員を募集しました。市は今後、もう一度市民ワークショップを開催した後、来年2月頃に基本構想の骨子案を公表し、地域懇談会を行い、来年10月には基本構想を答申する予定と伺いました。
第三次長期総合計画策定の際には、策定方針の基本のその1に「市民の意向の十分な把握」を掲げ、誰でも参加できる「小平市まちづくり懇談会」の開催に加え、公募市民44名から成る「小平市まちづくり会議」を設置し、2004年1~9月にかけて計31回、市民が集まり、「こだいら市民提言書」をまとめ、計画に反映させました。
第三次と第四次の策定方針を比べると、市民参加については第四次の方が後退している印象は否めません。今後、長期総合計画の策定にどれだけ市民が参加できるのかについて、質問します
1.(仮称)小平市第四次長期総合計画は、基本構想と、より具体的な中期実行プランの2層構造と想定されています。現在、基本構想に市民の意見を取り入れようとしていますが、中期実行プランはいつ頃策定する予定でしょうか。また、中期実行プランの策定の際にも、市民の意見を取り入れる機会は設けられるのでしょうか。
小林市長
はじめに、「(仮称)小平市第四次長期総合計画の策定により多くの市民の意見を」の第1点目の中期実行プランを策定する時期でございますが、現在策定中の次期長期総合計画は、現行の第三次長期総合計画と同様に2層構造を想定しており、その2層目となる中期実行プランも現行の新中期的な施策の取り組み方針・実行プログラムと同様、計画期間の初年度において策定することを想定しております。(答弁担当:企画政策部総合計画担当課長、企画制作部政策課)
市民の皆様の意見を取り入れる機会につきましては、次期長期総合計画の策定過程において、あるいは個別計画の策定過程において、様々な形で市民の皆様からご意見をいただいてまいりますので、それらが中期実行プランの策定においても生かされるものと考えております。
<再質問>
水口かずえ議員
第一問目の質問から再質問させていただきます。小平市第四次長期総合計画の策定により多くの市民の意見をです。
1点目です。第三次長期総合計画の基本構想と現在の実行プランを比較すると、基本構想は文章のみで抽象的である一方、実行プランには数値目標も盛り込まれ、より具体的なものとなっています。ご回答では、基本構想の時に市民の意見を募集する、また、すでにある基本計画から持ってくるものだから、特に実行プランの方には市民意見を募集しないということでしたけれど、基本構想よりむしろ具体的な実行プランが重要ではないかと思います。この実行プラン策定の際にも、ぜひ市民の意見を聞くため、せめてパブリックコメントを実施することはできないのでしょうか。
津嶋企画政策部長
市長の方からも答弁差し上げました通り、今後策定が予定されております実行プラン、こちらにつきましては、基本構想を受けて、さらにその下に今各分野ごとの個別計画がしっかり策定されてきております。また、今後改定されるものも当然ございます。それを受けた上での計画期間4年間ごとに策定してまいりますが、具体的にどういう事業をその間やっていくかという予算事業を示していくという作りになっていくことになります。
ここで言う個別計画でございますが、この個別計画というのは、今大体基本的には2年かけて策定しております。それはなぜかというと、個別計画を策定する際に市民参加をしっかりやっていこうということで、策定する前段にあたりましては実態調査をやったり、あるいは市民アンケートをやったりして、幅広く状況を確認するとともに市民の声をうかがってきております。策定する際におきましては、今度は審議会であるとか、検討委員会というところで、そこでも当然市民の公募委員を参加していただいて、意見をうかがっているという形で作っておりますので、そういったものをしっかり受け止めた形での実行プラン、こちらの方は予算事業になりますので、そこではまた改めてパブリックコメント等をやる予定はないというところでございます。以上でございます。
水口かずえ議員
実行プランは4年ごとに改定することになるかと思います。私も議員になる前、このような実行プランがあるということを知らなかったんですけれども、こういう実行プランがあるということを市民に知らせ、その内容を再検証する意味でも、中期実行プラン策定の際にも市民の意見を聞けるようなパブリックコメントのような機会を設けていただき、4年ごとの次の実行プラン策定の際にも市民の意見を取り入れていただけるような仕組みにしていただければと要望いたします。
2.第三次長期総合計画策定時に設置された市民44名から成る「小平市まちづくり会議」は、「小平市市民参加の推進に関する指針」における「市民だけで素案または提案を作成するワークショップ方式」を取り入れたものです。(仮称)小平市第四次長期総合計画には、この方式を取り入れなかった理由をお教えください。
小林市長
第2点目の第三次長期総合計画策定時のワークショップ方式を取り入れなかった理由でございますが、次期長期総合計画の策定においては、広く市民の皆様の意向等を把握するためのアンケート調査のほか、日頃市政にかかわる機会の少ない方のご意見もいただくため、新たな手法として、市として初めて、住民基本台帳から無作為に抽出した市民の方を対象とした市民ワークショップを実施することとしたものでございます。
<再質問>
水口かずえ議員
2点目です。ワークショップについてです。今回は初めて無作為抽出による市民に参加してもらったワークショップを開催したということをうかがいました。無作為抽出により、これまで市政にあまり関心を持っていなかった方の意見も聞けるという点はとてもいいと思うんですけれども、今回このワークショップの開催が数回にとどまっていて、基本構想に市民の意見を十分入れるというには回数が少なすぎ、不十分ではないかと思います。無作為抽出で選ばれた方々により、第三次の時のように市民としての提案、素案を作ってもらうというような考えはなかったのでしょうか。
津嶋企画政策部長
今回の新しい長期総合計画を策定するにあたりまして、第三次長期総合計画策定の手続きというのも当然参考にしております。ただ、その後、小平市でも様々な市民参加の手法を取り入れて、取り組んでまいりました。そういったことを踏まえてですね、新しいステージというか新しい取組も今後やっていく必要があろうかということで、今回無作為抽出による市民の方を対象としたワークショップをやってございます。
ワークショップで何かを決めるということではございません。これは今ワークショップに参加していただいている方にもですね、冒頭のところで説明しておりますが、ワークショップというのは、現状、今長期総合計画策定におけるワークショップにつきましては、対話の場であるというふうに考えてございます。集まってこられた市民の方、様々なご意見がございますので、そこで対話をすることで自分の意見を説明する、さらに、自分とは違う意見を聞いて、そういった意見に理解をしてもらうということで、将来像みたいなものを徐々に共有していこうと、そういうことで設けているものでございます。
第三次長期総合計画では、その中で提言という形でまとめてまいりましたが、今後はもっと幅広く意見を聞きながら、アンケートなども踏まえながら、さらに、今回は中間の段階でもまた意見を募集することを考えてございますので、そういう形で広い意見を積み上げながら、まとめていきたいと考えてございます。以上でございます。
水口かずえ議員
この第三次のときに行われた市民提言書を作ったワークショップは、指針に基づいて市民だけで素案または提案を作成するというものでした。このような方式は、市民参加を促し、自治を高めるという意味でとてもいい取組だと思います。今まであまりそのようなやり方が活用された例はないかと思います。長期総合計画という市の計画の最高位に位置付けられるものだからこそ、市民がより多く参加できるものにしていただければと思います。今後、地域懇談会などの形でまた市民意見も取り入れられると思いますけれども、これから市のあり方としても、このようなワークショップ方式をもっと活用していただければと思います。
3.上記指針では、「審議会等における市民公募委員については、・・委員の概ね4割から5割の水準で公募枠を確保」することになっています。「市の計画体系における最上位に位置付けられる」長期総合計画を審議する審議会では、十分かつ多様な市民参加の機会を設けるため、市民公募委員を5割にすべきと考えますが、いかがでしょうか。
小林市長
第3点目の市民公募委員の5割にすることでございますが、小平市長期総合計画基本構想審議会条例において、審議会は、委員20人以内をもって組織すると規定しており、この条例に基づき、今後設置する審議会の委員人数は20人とする予定となっております。長期総合計画は市政全般にわたる計画となるため、様々な関係機関との連携が必要となることから、全体の構成として、市民公募委員は、そのうちの4割にあたる8人とする予定でございます。
<再質問>
水口かずえ議員
3点目に移ります。市民公募委員が今回4割とお聞きしました。市が持っている指針では、委員のおおむね4割から5割を市民公募委員の公募枠とするとされています。これまで市民の公募委員が5割になっているという審議会の例はあるのでしょうか。
津嶋企画政策部長
5割以上のものもございます。以上でございます。
水口かずえ議員
具体的にどのような審議会があったのかをお教えください。
津嶋企画政策部長
具体例で申しますと、情報公開個人情報保護審議会、こちらの方は委員数8名のうち、公募の委員の方が4名ということになってございます。その他でいきますと、廃棄物減量等推進審議会、こちらの方は委員数20名のうち10名が公募委員ということで5割を超えている審議会はございます。以上でございます。
水口かずえ議員
今回の長期総合計画の基本構想は、市の計画の最高位に位置されるとうかがいました。市民の立場からは、市民の意見をより尊重してほしいという願いで、公募委員の割合はぜひ最低でも5割にしていただければいいのではないかと考えます。今後の他の審議会のあり方も含めて、なるべく多くの市民が公募委員として政策提言の場に参加できるように要望します。
4.審議会の市民委員の公募では、8名の募集に対して22名の応募があったと伺いました。市民公募委員の選考については、「審議会等における公募委員の選考手続きについて」という事務連絡文書で、「選考審査は、応募者の中から公募委員を適正に選出するため、選考審査会を設置」し、その会長には副市長もしくは所管部長を充て、その他の委員には所管または関係する部課長を充てる、とされています。そして、選考審査会で、応募者氏名を伏した作文を評価し、順位を決定し選出することになっています。この選考手続きを真に「適正」なものとするには、選考審査会の公開、もしくは選考審査会に市民を加える、などの手段が必要と考えますが、市の考えをお聞かせください。
小林市長
第4点目の市民公募委員の選考審査会の公開等に関する市の考えでございますが、公募委員の選出は、公募委員選考審査会要領(書き起こしでは要綱)に基づき適正な方法によって行われており、選考審査会の公開等は、応募者の心理にも少なからず影響を及ぼす可能性があることから、慎重な対応が必要と考えております。
<再質問>
水口かずえ議員
4点目についてです。公募委員の選考手続きについてです。選考委員会というものは、市の中の職員だけで行われ、その過程は公開されていません。今まで審議会に応募したまわりの市民の方から、応募したんだけれど落とされてしまった、その理由がわからなくて納得できない、あるいは、どうせ私が応募したってやっぱり無理なんだ、もう応募はできないというような意見がありました。もうちょっと審査過程を応募した方が納得できるような、特に落とされた方が納得できるようなやり方に改める必要があるのではないかと思います。まず、この選考審査会に、例えば外部の専門の方を加える、あるいは数名の市民委員を加えるなどのやり方は検討できないのでしょうか。
津嶋企画政策部長
公募委員の方はですね、市民の目線で色々ご意見いただくということで大事な役割を担っていただいていると思います。選考委員に例えば今ご提案いただいたような市民を交えるというようなご提案もございましたが、ちょっとそこに関しては難しいかなと思っております。というのは、じゃあその選考する市民の方をどうやって選ぶのかというのが一つございます。また、市民が市民を評価するということにもなりかねませんので、ちょっと市としてはそういったところは考えていないところでございます。
水口かずえ議員
審査会に市民を加えるのが難しいということでしたら、例えば、外部の専門家を加えるということはできないのでしょうか。
津嶋企画政策部長
市民公募委員の方というのは、例えば専門的に何か知識を持っていていただくということよりは、市民生活の中から色々な考えをお示しいただきたいと思っております。専門の、選考する専門の方といいましても、市の行政全般にわたるようなお話ですから、やっぱり市の職員が全体の分野を網羅しながら選んでいくという方がよろしいかと考えております。
水口かずえ議員
先程の御答弁で、応募する市民が自分が書いた作文とかが一般の方に見られるということが想定されていないという、だから公開が難しいというような内容の御答弁があったかと思うんですけれども、例えば、作文を公募する時点でこの応募作品は公開しますということを前提にして、その審査過程を公開に持っていくということはできないのでしょうか。
津嶋企画政策部長
方法としては考えられると思いますが、ただですね、もし、公開されるという前提で募集した場合に、応募する側からすると、プレッシャーというか、懸念はあろうかと思います。さらにそれが公開されるとなると、そこでどういうふうに評価されるかというのも、当然いろんな声が自分のところに届くこともありますので、そういったことを懸念することから、そういうことは考えていないところでございます。
水口かずえ議員
例えば、私の周りには熱心な市民の方がいて、公開されることが前提であっても公募に応募しようという方はたくさんおられると思います。それよりも応募したのに、なんで落とされたのかよくわからない、そうすると応募する気持ちもなくなってしまって、市政への関心が薄れていくということにもつながりますので、ぜひ公開を前提とした作文の応募で選考過程を透明化していくということにも、課題として検討していただければと思います。
5.無作為抽出した市民2,000人を対象にワークショップへの参加を呼びかけたところ、85人から参加申込があったが、会場の都合で65人に絞ったと伺いました。ここで漏れた人たちも含め、今後、誰でも参加できる地域懇談会の開催が重要です。第三長期総合次計画策定の際には、地域懇談会に該当する「まちづくり懇談会」を中央部、西部、東部の3ヶ所で計12回開催しました。(仮称)小平市第四次長期総合計画の策定に際には、第三次長期総合計画のときより多くの地域懇談会を開催すべきではないでしょうか。
小林市長
第5点目の第三次長期総合計画のときより多くの地域懇談会を開催すべきでございますが、地域懇談会も含め、様々な形でご意見をいただくことができるよう、工夫してまいります。
<再質問>
水口かずえ議員
5点目です。今後、地域懇談会を開催していくと思います。今回は無作為抽出で選ばれた市民が今のところ意見を述べる形になっていますので、今後、誰でも参加できる形での地域懇談会は重要な意味を持ってくると思います。前回は12回開催したとなっていました。今回は前回よりも多くの形で、場所を増やすとか開催曜日を多く設けるなどの形で前回よりも多くの地域懇談会を開催することはできないのでしょうか。
津嶋企画政策部長
前回12回ということでおっしゃっていただいていますが、内容としては、4回に分けてそれぞれの会場で3回以上ずつ、3回以上ずつ4回で合計12回以実されたというところでございます。前半の2回分、ですから6回分につきましては、審議会が立ち上がる前にやってございます。今回は審議会を立ち上げる前にワークショップをやっておりますし、さらに市民アンケート調査等もやっておりますので、そこを使いながらですね、幅広い意見は集めているところでございます。なお、今後予定されているのは、審議会設置後に2回ほど、3会場でやりますので、6回ほど予定をしてございます。
前回は全部で12回実施してございまして、のべの参加人数が69人ということになってございます。ですから、一会場あたり一回あたりですね、大体5、6人。6人程度の参加だったというところでございます。やはり回数というより、多くの方に来ていただいて、多くの方の意見をうかがいたいという、これは思いとしてございますので、今後実施する予定の懇談会につきましては、しっかりPRをしながら、多くの意見を集めるように工夫してまいりたいと考えてございます。以上でございます。
水口かずえ議員
ぜひ、より多くの市民の意見を集めるよう、お願いいたします。
6.(仮称)小平市第四次長期総合計画策定の基本方針には、「市民からの意見・要望の収集」に関するその他の例として、「市民団体等の関係団体を対象とした取組」が上げられています。これはぜひ実施すべきですが、具体的にどのように行う予定でしょうか。
小林市長
第6点目の市民団体等の関係団体を対象とした取組の予定でございますが、現在進めている市民参加なども踏まえ、効果的な実施方法について検討してまいります。
<再質問>
水口かずえ議員
6番目の市民団体等の関係団体を対象とした取組、これは市民団体を対象として聞き取りを行うということでよかったでしょうか。
津嶋企画政策部長
こちらの取組につきましては、まだ具体的には決まってございませんが、今進めておりますのは、ワークショップの他に、小学校への出前講座、出前授業みたいなものをやりながら、中学生、高校生、あるいは大学生にインタビューを行ったりしております。それ以外にですね、市内に様々な団体がございます。市民活動を行っている団体もございますし、場合によっては事業を行っている団体もあろうかと思います。今後審議会等の中で、いろいろ検討を進めるにあたって、アンケート調査やインタビュー、今やっているワークショップで足りないような何か、そういったご意見も集めなければいけないという時にこういったものを活用して参りたいと考えてございます。以上でございます。
水口かずえ議員
長期総合計画基本構想の策定にはいろんな手法でより多くの市民の意見を取り入れていただくようお願いいたします。
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