(2) 花小金井武道館をできるだけ長く継続使用することについて

 

質問趣旨

 「小平市立花小金井南中学校地域開放型体育館建設及び小平市立花小金井武道館機能移転の基本方針(平成28年2月発行。以下、「基本方針」という。)」では、現在建設中で来年4月から供用開始予定の花小金井南中学校地域開放型体育館建設後は花小金井武道館を取り壊すとされています。花小金井武道館の機能の一部は花小金井南中学校地域開放型体育館に移転されますが、体育館は生徒の使用が優先され、住民が利用できるスペースや時間は限られます。そこで、花小金井武道館の利用者から花小金井武道館を花小金井南中学校地域開放型体育館が完成しても利用者に配慮してできるだけ長く継続使用させてくださいという請願が出され、昨年3月議会で採択されました。

 

 また、弓道場の機能は移転されないため、「弓道場利用者と、活動の場の確保について引き続き検討」すると基本方針に書かれ、小平市弓道連盟と市で話し合いが続けられてきましたが、活動の場の確保がされないまま、花小金井南中学校地域開放型体育館の供用開始が近付き、小平市弓道連盟は、武道館から直線距離で約4㎞離れた小平市民総合体育館への活動移転の準備を始めています。

 

1.昨年9月議会一般質問で、武道館の代替施設として、文化学園大学など「民間施設の借用につきましては、利用時間帯の新設や拡大について引き続き協議してまいります」との答弁がありましたが、その後の協議の状況をお教えください。文化学園大学とは、「継続的に情報交換などを行っております」との答弁でしたが、進展はありましたか。

 

市長(小林正則)

 次に、花小金井武道館をできるだけ長く継続使用することについてのご質問にお答えします。第1点目の、民間体育施設の借用に係る協議の状況でございますが、文化学園大学との情報交換については、特に進展はございません。なお、現在、三菱電機ビルテクノサービス株式会社の体育館の借用について利用時間帯の変更や拡大について協議を行っております。

 

水口かずえ

 代替施設として、三菱電機ビルテクノサービス株式会社と交渉しているということでしたけれども、文化学園大学と、もっと貸してもらえないかという交渉をしていないのでしょうか。また、もしかしてもらえないとしたらその理由は何なのでしょうか。

 

篠宮文化スポーツ担当部長

 文化学園大学につきましては、交渉というよりも、文化学園との良好な関係を継続していくという目的で、いろいろな連携、連絡を取り合っております。理由といたしましては、文化学園も民間企業ですので、さまざまな事情があると考えております。

 

水口かずえ

 文化学園大学に施設を貸してほしいということを、要望はしていらっしゃるのでしょうか。

 

篠宮文化スポーツ担当部長

 話をする中では、そういうお話はしております。ただ、さまざまな、テニスコートであったり、そういうところも含めて、大きなくくりで話をしているところでございます。

 

水口かずえ

 以前、文化学園大学は、食堂を借りて、弓道連盟の方がそこで活動されていたと思います。市民総合体育館よりは文化学園大学のほうが花小金井からは近く、そちらに移転できるなら、そちらのほうが市民総合体育館よりいいと思うんですけれども、そういうことは考えていただけないのでしょうか。

 

篠宮文化スポーツ担当部長

 文化学園はあくまでも民間ですので、それをこちらの都合で使うということは、現在難しいと考えております。

 

水口かずえ

 ちょっとよく分からないのですが、一応要望はしているということでしょうか。

 

篠宮文化スポーツ担当部長

 弓道に対しての要望ということではなくて、もし使わない時期があれば、貸していただけるかどうかというお話はしておりますが、なかなか文化学園もこの先の方向性がまだ決まっておりませんので、そこを見極める必要があるかと考えております。

 

水口かずえ

 弓道場の確保について文化学園に要望しない理由は何でしょうか。

 

篠宮文化スポーツ担当部長

 文化学園大学の食堂ですので、弓道場ではございませんので、あれは一時的に、文化学園のご厚意によって、一部を弓道ができるように整備というか的を立ててということになりますので、弓道に特化して、文化学園は弓道をそこでやる目的ではございませんので、その要望というのは難しいのかなというふうに考えております。

 

水口かずえ

 花小金井武道館を取り壊さなければいけない理由として、築40年以上経っているという答弁がありました。昨日、幸田議員の質問への答弁には、平櫛田中彫刻美術記念館が築50年以上経過し、もう耐用年数を過ぎているんだけれども、耐震診断をして、必要に応じて改修し、維持管理していくというご答弁があったと思います。武道館についても、多くの人が利用し、維持管理、維持を求めている施設です。武道館についてもすぐに取り壊すのではなく、柔軟な対応をしていただけないのでしょうか。

 

篠宮文化スポーツ担当部長

 昨日の平櫛田中彫刻美術記念館につきましては、耐用年数がきているというところは申し上げていないところでございます。また、こちらは全く性質が違いまして、重要な文化財としての捉えがございますので、その部分と武道館は同じというふうには考えておりません。

 

水口かずえ

 今のところ、市の方針としては、花小金井南中学校地域開放型体育館が来年4月供用開始されたら、すぐに取り壊すというおつもりなのでしょうか。

 

篠宮文化スポーツ担当部長

 市長答弁で申し上げたとおりでございますので、今のところ、方針に従って進めてまいりたいと考えております。

 

水口かずえ

 公共施設マネジメントというのは、ただ闇雲に施設を減らすというのではなく、時代の変化に応じて公共サービスを提供し、最小の経費で最大の効果を発揮するというものかと思います。小平市公共施設マネジメント基本方針は、時代の変化に対応した場づくりを、行政だけでなく市民や事業者と協働・連携して進めていくため、いつまでもわくわくする場をみんなで創ろうを基本理念としています。花小金井南中学校地域開放型体育館供用後すぐ武道館を壊すということは、市民の要望を無視して壊す、わくわくする場をみんなから奪うことにしかならないと思います。

 今定例会初日の予算説明で、市長は参加と協働を市政の根幹に据えて、市民のみなさまや地域のさまざまな団体とともに、まちの魅力の向上や課題の解決に取り組むとおっしゃいました。全会一致で採択された請願を全く顧みず、参加と協働を根幹に据えた市政と言えるのでしょうか。これはできれば市長にお答えいただければと思います。

 

小林市長

 参加と協働と自治、これは市が進める大きな方針であります。それはいささかも変わることはございません。

 ただ、個別事業になればですね、市には大きな長総(長期総合計画)があったり、それにぶら下がって個別事業がいろいろあるわけです。そして、人口が将来高齢化、それから少子化に向かっていくということは、これはあくまで推計値ですけれども、そういった、われわれは一つの施設をつくれば、40年先から50年先を見据えて仕事をしなければならないわけですよ。まあ、目先のことは、もちろん当座の問題としてやっていかなきゃいけませんけれども、われわれは次の世代に対してどれだけ責任を負うかということをやっているわけですよ。もう40年経って、そして、あそこはもともと都市計画公園になっていて、建物そのものもですね、強固なものが建てられないってことで、あそこは確か鉄骨の建物でですね、建物としては非常に、なんて言うんですかね、弱い、弱いと言いますかね、あまり強固なものではないわけです。

 ですから、40年経って、都市計画公園に決定されているところにですね、さらにまたっていうことになればですね、じゃあ、今まで建てた、将来に渡って都市計画公園を全体に配置をしながら、ご案内のように、小平市は住宅都市ですから、ずっと今の状態を維持していくわけにはいきませんから、どこかで、個人がお持ちの畑だったりあるいは緑地だったり、いろんな事情で減っていくということは現実としてあるわけです。そのときに、われわれはそれを補完するものとして、公的な空間、都市計画公園をしっかり確保することで、小平市が目指している緑つながる生活都市、これを実現するために、今回の事業に踏み切ったということです。

 

水口かずえ

 花小金井武道館跡地は、公園にするという都市計画だということですけれども、その都市計画はいつ誰が決めたのでしょうか。

 

(しばらく沈黙)

津本副議長

 通告外ですのでわかる範囲で結構です。お応えをお願いします。

 

岡村環境部長

 大変失礼いたしました。昭和38年9月2日に告示がされております。

 

水口かずえ

 58年以上前の都市計画を理由にして、請願でせめて1年、数年間でもいいから長く残してほしいという請願を無視するというのは、市政としては大きな問題だと思います。参加と協働を根幹に据えた市政として、市民の請願、通った請願というものには、きちんと対応してほしいと思います。

 

2.小平市弓道連盟会長による情報公開請求で、「小平市立花小金井武道館の機能移転について」という平成27年11月27日の決裁文書に、弓道、アーチェリーは、「小平市民総合体育館に移転する」と書かれていたことがわかりました。小平市民総合体育館への機能移転はこの時点で既に決まっていたことで、「弓道場利用者と活動の場の確保について引き続き検討する」という基本方針に基づく市との話し合いは無意味なものだったのかと、小平市弓道連盟の皆さんは愕然としたそうです。弓道の活動の場は小平市民総合体育館に移転することを平成27年11月27日に決定していたのでしょうか。

 

市長(小林正則)

 第2点目の、花小金井武道館弓道場機能の市民総合体育館への移転決定でございますが、花小金井武道館を閉鎖することで、市内の弓道場は別に市民総合体育館があることから、移転先として決定し、小平市立花小金井南中学校地域開放型体育館建設及び小平市立花小金井武道館機能移転の基本方針では、活動の場の確保として、市民総合体育館以外の可能性について調査検討をしてまいりました。

 

3.小平市弓道連盟が、会員110名のうち花小金井武道館を日常的に利用している約65名に、市民総合体育館に移動できるかアンケートで聞いたところ、20名弱と3割近い方が、高齢などのため移動できないと答えたそうです。このことに対する市の見解をお聞かせください。

 

市長(小林正則)

 第3点目の、弓道連盟が実施したアンケートに対する見解でございますが、花小金井武道館の閉鎖により利用環境が変化し、これまで日常的に利用されていた方々には不便をおかけすることもあるかと存じますが、可能な限り継続的に弓道を楽しんでいただきたいと考えております。

 

4.昨年3月議会で採択された請願の代表者は、60~70歳代の高齢者を中心として80歳代も含むメンバー19名の卓球チームに所属し、毎週月曜日15時~17時に花小金井武道館の武道場に6、7台の卓球台を設置して練習しています。平成27年11月27日付けの決済文書では、卓球の機能は花小金井南中学校地域開放型体育館、もしくは近隣の公民館・地域センターに移転、と書かれています。地域センターには通常2台の卓球台が置かれていますが、スペースが狭く、本格的な練習には不向きです。花小金井南中学校地域開放型体育館には、16平方メートルの剣道場と、100平方メートルの多目的室がつくられますが、毎年12月~1月にかけて剣道の授業が行われるときは、それらは日中使えなくなります。アリーナが使える19時以降の夜間に、高齢のメンバーが活動を続けることができるのか心配です。請願代表者は、請願の趣旨を汲んで、花小金井南中学校地域開放型体育館の供用開始後、花小金井武道館をすぐに取り壊さず、機能移転がうまく行われるかどうか見極めるためにもせめて数年間でも継続利用させてほしいと願っています。昨年3月議会で採択されたこの請願はどう活かされるのでしょうか。

 

市長(小林正則)

 第4点目の、花小金井武道館の継続利用でございますが、利用団体の活動の継続が図られるよう、花小金井南中学校地域開放型体育館の供用開始までに活動の場の確保に努めるとともに、学校等との調整を進めてまいります。

 

5.基本方針には、「新しい時代要請」として「公共施設マネジメント」と書かれています。平成27(2015)年12月に策定された小平市公共施設マネジメント基本方針は、人口減少・少子高齢化、財政バランスの悪化、施設の老朽化・更新時期の集中、という3つの課題を踏まえ、公共施設のサービスと量、コスト、性能を最適化するとしています。小平市公共施設マネジメント基本方針の策定時は、小平市の人口は2015年にピークを迎えると想定されていましたが、人口はまだ増加しており、ピークの想定は2025年にずれました。財政バランスについても、小平市公共施設マネジメント基本方針では個人市民税が大きく減少する可能性を指摘していますが、個人市民税収は平成27年度の132億3,000万円から30年度には139億7,000万円へと5.6%増加しています。サービスと量の最適化の観点からも、花小金井武道館をすぐに取り壊す必要はないと考えます。花小金井南中学校地域開放型体育館の完成後、花小金井武道館をすぐに取り壊さなくてはならない理由は何でしょうか。

 

市長(小林正則)

 第5点目の、地域開放型体育館の完成後、武道館をすぐに取り壊す理由でございますが、花小金井武道館は平成26年度に築40年を迎え、施設の目標耐用年数を経過したことから、市の公共施設マネジメントの観点をふまえ、花小金井武道館を閉鎖し、取り壊し、新設する花小金井南中学校地域開放型体育館に機能の一部を移転することといたしました。

 

6.請願法第5条で、「請願は、官公署において、これを受理し誠実に処理しなければならない」と規定されています。昨年3月議会で、退席者1名を除き全員一致で採択された「花小金井武道館を花小金井南中学校地域開放型体育館が完成しても、利用者に配慮してできるだけ長く継続使用させてください」という請願は、誠実に処理していただけるのでしょうか。

 

市長(小林正則)

 第6点目の請願の誠実な処理でございますが、小平市立花小金井南中学校地域開放型体育館建設及び小平市立花小金井武道館機能移転の基本方針に示しておりますとおり、市民総合体育館のほか、小学校の体育館、公民館や地域センターなど、活動の場の確保について検討をしており、花小金井南中学校地域開放型体育館供用開始後は、花小金井武道館を閉鎖し、取り壊す予定でございます。