小平市議会定例会一般質問通告書

 

質問件名 市民の健康を守るためにPFAS汚染の原因究明と対策の実施を

 

質問要旨

 多摩地域の有機フッ素化合物(PFAS)汚染を明らかにする会が今年9月21日に公表した住民791人の血中PFAS濃度の調査結果では、4種のPFAS合計の平均血中濃度は22.0ng/mL、そのうち小平市民29人の平均濃度は22.8ng/mLでした。米国の学術機関である全米アカデミーズは、7種のPFASの合計値が20ng/mLを超えると健康影響の恐れがあるとし、健康影響として腎臓がんや乳児・胎児の成長・発達への影響に加え、動脈硬化などの原因となる脂質異常症についても関連性を示す十分なエビデンスがあるとしています。PFASの農産物への影響も懸念されています。小平市として、市民の不安に応え、健康を守るための施策の実施を求め、以下質問します。

  • 小平市は40歳から74歳までの国民健康保険加入者を対象とする特定健康診査を行っています。特定健康診査の最新の受診者数と、そのうち脂質異常(中性脂肪150mg/dL以上又はHDLコレステロール40mg/dL未満もしくは服薬中)と判定された人の割合を全国および東京都の平均値と比較してお教えください。また、脂質異常と判定された人の割合について、平成20年度、25年度、30年度の値も全国および東京都の平均値とともにお教えください。
  • 国民健康保険の特定健康診査では血液採取で中性脂肪、空腹時血糖など8項目を検査していますが、検査項目にPFOS、PFOAなどPFASの血中濃度を加えることはできないでしょうか。その場合に必要となる追加費用の概算をお教えください。また、自己負担でPFASの血中濃度を検査項目に加えることは可能でしょうか。
  • 第1期中期実行プランで、特定健康診査実施率の目標値として令和4年度58%、令和5年度60%が掲げられていますが、その達成状況をお教えください。また、血液検査にPFASを加えることで、実施率は上がるのではないでしょうか。
  • 東京都が今年10月に公表した「有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)に関する東京都の取組」のQ&A集で、PFOS・PFOAはゆっくりではありますが体内から排泄されていくと考えられ、新たな摂取がない場合に人の体内の濃度が半分になるまでの半減期はPFOSで約3.1~7.4年、PFOAで約2.3~8.5年と見積もられています、とあります。飲料水としての井戸水取水停止の効果を図る上でも、PFASの血中濃度の測定は有効ではないでしょうか。
  • 国分寺市は、今年2月に市内公園24カ所に設置した井戸の水のPFOS・PFOA合計値を検査し、6か所で暫定目標値50ng/Lを超えていたことを明らかにしました。調布市は、市内の防災井戸29カ所に加え、民間の防災協力井戸43箇所についても希望に応じてPFOS、PFOA、PFHxSの3項目の調査を実施し、来年2月に公表予定です。また、武蔵野市は、市内18の小中学校に設置した災害用井戸の水を検査し、7カ所で国の暫定目標値を上回る濃度のPFASを検出したため、災害用井戸18か所全てに浄水器を設置する費用約3300万円を補正予算に計上しました。小平市でも震災対策用井戸の所有者の希望に応じて、PFAS検査を実施し、必要に応じて浄水器の設置を補助してはいかがでしょうか。
  • 血液検査の分析を行った京都大学の原田浩二准教授は、米軍横田基地から東側の地下水の汚染度が高い地域に、PFAS血中濃度が高い住民が集中していると指摘しました。米軍横田基地では、今年1月25、26日に、消火用スプリンクラー設備の部品が破損し、PFOS240万ng/L、PFOA32万ng/Lを含む汚染水が漏れ出し、側溝に流れたと報道されています。横田基地への立ち入り調査申請について防衛省は、関係自治体から要請があれば米側に働きかけるとの見解を示しています。住民のPFAS血中濃度が高い小平市は、横田基地への立ち入り調査を求めるべきではないでしょうか。
  • 国分寺市は今年6月定例会で、市民団体による血液検査で血中のPFAS濃度が高い人が多かった立川市、国立市、府中市、小平市など6~7市で対応を議論する新たな会議体をつくる構想があるとしていたが、その後、横田基地への立ち入り調査申請など今後の対応について各自治体間で温度差があり、会議体の設立を断念したと報じられています。小平市に、会議体設置の呼びかけはあったのか、あった場合はどのように返答したのか、お聞きします。
  • 今年9月に就任した立川市の酒井大史市長は、横田基地への立ち入り調査の要請について、近隣の自治体や東京都と連携していきたいと述べています。立川市などから要請があれば連携して横田基地への立ち入り調査を求めますか。
  • 東京都市長会は、東京都への予算要望で、令和5年度予算に対しては、地下水の汚染を拡散させないため、河川源流部への観測井戸の設置を含めた地点数の拡大により、地下水実態調査をより細かく実施し、地下水脈流調査を含め、より一層の対策を講じること、特に有機フッ素化合物(PFOS、PFOA)について、汚染実態の原因究明及び対策を講じ、調査結果を共有すること、および市が実施している調査対策に対する財政支援を図ることを求め、令和6年度予算へは横田基地内の有機フッ素化合物が含まれる泡消火剤について、適正な処理を行うよう米軍に申し入れるよう国に働きかけることを要望しました。令和5年度予算要望の実施状況、および令和6年度予算要望に対する市の見解をお教えください。

 

上記のとおり、小平市議会会議規則第57条第2項により通告します。

令和5年11月16日 小平市議会議長殿             

小平市議会議員 氏名 水口 かずえ   


小平市議会定例会一般質問通告書

 

質問件名 事業の精査と見直しには市民の意見を反映し、廃止された災害救助事業の復活を

 

質問要旨

 小平消防署監修の「消防こだいら」令和5年11月発行号には、「小平市では、今年火災が多く発生しています」と記載され、小平消防署のホームページでは、今年11月14日現在で、市内の火災件数は45件、焼損傷床面積は805㎡で令和4年の約4.4倍、死者数は昨年の0人に対して今年は既に4人となっています。そんななか、小平市は事業の精査と見直しにより、今年度から災害救助事業を廃止し、全焼・全壊1世帯につき5万円以内、半焼・半壊1世帯につき3万円以内、死亡1人につき5万円以内、の見舞金、弔慰金の支給を廃止しました。この経緯と妥当性、および復活できないかについて質問します。

  • 事業の精査と見直し(経営方針推進プログラムNo.8)仕分け提案への対応・進捗状況【令和4年度実績】には、「対象者も例年少数で、支給金額としては市民の福祉及び生活の安定に向けた効果は限定的であることから、見舞金を廃止する」と記載されています。見舞金、弔慰金の対象者数が少数であることを主な理由としてそれらを廃止することが適切な判断といえるのでしょうか。
  • 上記の進捗状況には、関係団体との調整を行ったと記載されているが、関係団体とはどこですか。
  • 事業見直しシート34災害救助事業には、「近隣では実施していない市も少数あり」とされているが、多摩26市での災害救助事業の実施状況をお教えください。
  • 同事業見直しシートには、「その他の各種支援制度が引き続き利用できれば、見直しを行うことの市民への影響も大きくない。」と記載されています。「社会福祉協議会においても、同趣旨の災害援助見舞金(最高1万円)を支給している。」とありますが、その支給状況をお教えください。また、その他にも支援制度はありますか。
  • 同事業見直しシートには、「見舞いの意を示すためには別の方法も考えられ、」と記載されていますが、別の方法の検討状況をお教えください。
  • 災害救助事業は復活させるべきではないでしょうか。そうするにはどのような手続きが必要ですか。
  • 経営方針推進プログラムNo.1幅広い市民意見の収集では、自治基本条例に基づいて策定された市民参加の推進に関する指針に言及し、行政サービスを広く公平に提供するため、広範な市民意見の聴取が必要としています。同指針では、市民参加の方法として、市民生活に重大な影響を及ぼす施策又は制度の導入又は改廃にあたっては、市民意見公募手続での意見聴取を経て、決定していくパターンを基本とし、施策や制度の性格等に応じて、市民意見交換会やワークショップ等の市民参加の手法等を活用するとしていますが、事業の精査と見直しは、市民生活に重大な影響を及ぼすものではないのでしょうか。
  • 千葉県館山市が今年9月に行った事業仕分けは、外部有識者などによる仕分け人と、市担当課の質疑を無作為抽出等で選ばれた10代~70代の市民判定人98人が聞き、「不要・凍結」、「要改善」、「現行通り・拡充」の判定を行うものでした。このような市民判定人方式の導入など、事業の精査と見直しには市民の意見を反映させるべきではないでしょうか。

上記のとおり、小平市議会会議規則第57条第2項により通告します。

令和 5年 11月16日 小平市議会議長 殿

小平市議会議員 氏名  水口 かずえ 


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