質問件名

次期の環境基本計画策定に伴い、温暖化などの環境問題への取組の強化を

 

質問要旨

 2015年採択のパリ協定は、産業革命前からの平均気温上昇を2℃未満に抑え、1.5℃未満に抑える努力をすることを目標にしています。そして、2018年10月にIPCCが公表した報告書は、平均気温の上昇を1.5℃未満に抑えるには、2050年頃にCO2の排出量を実質ゼロにする必要があることを示しました。これを受け、2050年までにCO2排出を実質ゼロにすることを表明する自治体が増えています。環境省によると、2019年5月に京都市や東京都がそれを宣言し、今年8月6日時点で151自治体に達しています。(仮称)小平市第三次環境基本計画では、温暖化などの環境問題への取り組み強化が期待されます。

 

1. 東京都はゼロエミッション東京戦略で、2050年のCO2排出実質ゼロに向け、2030年までに温室効果ガス排出量を2000年比30%減とする目標を掲げました。小平市は、地域エネルギービジョンで、CO2排出量を2020年度までに2005年度比で25%削減することを目標にしましたが、昨年9月の進捗状況報告によると、2016年度のCO2排出量は2005年度比19.7%減にとどまっています。地域エネルギービジョンの削減目標は達成できる見込みはありますか。また、現在作成中の第三次環境基本計画では、2050年までにCO2排出実質ゼロを目指すことを明言し、それに合わせた2030年度までのCO2排出量削減目標値を達成するために重点施策を書き込むべきと思いますが、いかがでしょうか。

 

○小林市長

第1点目の小平市地域エネルギービジョンの削減目標の達成見込みでございますが、当初、二酸化炭素排出量、及びエネルギー消費量を削減目標としておりましたが、平成28年3月にビジョンの中間見直しを行った際に、エネルギー消費量のみの削減目標に変更しております。この目標につきましては、本年度公表の平成29年度実績の数値で33.8%の減となり、すでに達成しております。

次期計画での二酸化炭素排出実質ゼロの明言、及び目標達成のための重点施策の設定でございますが、国や東京都の二酸化炭素排出量の削減目標値等を踏まえるとともに、市民の皆様や事業者からご意見等を伺いながら、素案の作成を進めており、地球温暖化防止のために、時勢に即した計画を策定してまいります。

 

○水口かずえ

CO2の削減なんですけれども、CO2は目標値にしなかったということなんですが、元々目標値として掲げていた2020年度の排出量見込み、2005年度比25%削減はできそうなのかどうかお教えください。

 

○田中環境部長

二酸化炭素排出量につきましては、本年度公表いたします平成29年度実績の数値では、20.4%となっておりまして、近年の猛暑、現在の新型コロナウィルス感染症の影響、また電力の二酸化炭素排出係数の改善状況など、さまざまな要因がありますことから、今、25%の目標に対しては何とも言えない状況ではございます。

 

○水口かずえ

東京都では、2050年にCO2排出実質ゼロ、2030年には2000年比で30%減とするとの目標を掲げています。小平市も東京都の中にある自治体として同様の目標を掲げてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

 

○田中環境部長

ただいま、次期環境基本計画を定めている中で検討している段階ではございます。あと、国の目標もございまして、国の目標と東京都の目標と併せて検討して決めてまいりたいと考えております。

 

○水口かずえ

多摩市では、2050年実質排出ゼロを明言して、新しい環境基本計画にもそれを書き込んだと聞いています。小平市もぜひそういう思い切った目標を掲げ、それに向けて施策を進めていただきたいと要望します。

     

2.「小平市第二次環境基本計画環境施策の平成30年度実施状況」によると、市全体のCO2排出量は2005年度比で19.7%減だが、市の事務事業におけるCO2排出量は10%減にとどまっています。ゼロエミッション東京戦略は、2030年に都有施設の使用電力を再エネ100%にすることを目標としています。パワーシフト・キャンペーン運営委員会らによると、東京都は、第一本庁舎の電力供給者を再生可能エネルギーの利用率などを入れた総合評価落札方式で選び、2019年度分は日立造船㈱と契約しました。小平市も電力調達に係る環境配慮方針により、二酸化炭素排出係数や再生可能エネルギー導入状況などで点数を付け、合計点70点以上を入札の参加条件としています。ただし、入札参加後は価格競争となり、CO2排出係数などが契約に反映されません。2020年度の小平市の本庁舎の電力契約の入札への参加者と、それぞれの二酸化炭素排出係数、未利用エネルギー活用状況、再生可能エネルギー導入状況、グリーン電力証書の市への譲渡予定量の得点数をお教えください。

 

○小林市長

第2点目の本庁舎の電力契約の入札参加者でございますが、東京電力エナジーパートナー株式会社、株式会社F-Power、株式会社ホープ、株式会社エネット、丸紅新電力株式会社、日立造船株式会社東京本社の6者でございます。

それぞれの二酸化炭素排出係数、未利用エネルギー活用状況、再生可能エネルギー導入状況、グリーン電力証書の市への譲渡予定量の得点につきましては、

東京電力エナジーパートナー株式会社が、順番に55点、10点、10点、ゼロ点、

株式会社F-Powerが、45点、10点、15点、ゼロ点

株式会社ホープが、70点、ゼロ点、ゼロ点、ゼロ点

株式会社エネットが、60点、10点、5点、ゼロ点

丸紅新電力株式会社が、45点、10点、15点、ゼロ点、

日立造船株式会社東京本社が、70点、10点、20点、ゼロ点でございます。

 

○水口かずえ

電力需給について、この点数によると、二酸化炭素排出係数では、F-Powerと日立造船が最も得点が高く、再生可能エネルギー導入状況では日立造船株式会社が最も得点が高かったということかと思います。実際に落札した東京電力エナジーパートナーは、二酸化炭素排出係数、再生可能エネルギー導入状況ともに、6者中4番目になっていることがわかります。

昨日、さとう悦子議員も質問でご指摘されたんですが、総合評価落札方式にすれば、このような二酸化炭素排出係数や再生可能エネルギーの導入率が高いところと契約されるという可能性も出てくると思います。そのような総合評価落札方式について、昨日のご答弁では国の方針を見るというようなご答弁だったかと思いますが、国がそれを打ち出せば、小平市もそうするということでしょうか。

 

○白倉総務部長

現在の小平市の契約方式につきましては、国が行っております据切方式というのをそのまま同一の形で参加資格等を設定しているところでございます。これに伴って、国のほうがこの総合評価落札方式というのをもし導入していくようであれば、市のほうとしても同様なことを検討していきたいと考えております。

 

○水口かずえ

国のほうもここ2、3年で総合評価落札方式を検討していくというふうにも聞いています。東京都や羽村市のように、国に先んじてぜひ総合評価落札方式のほうを検討していただければと思います。

 

3.「国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律(環境配慮契約法)」は、国等が製品やサービスの契約を締結する際、温室効果ガス等の排出の削減などの環境性能も評価し、契約者を選定することを求め、電気供給のほか、省エネルギー改修(ESCO)事業、建築物の設計や維持管理などについて環境配慮の契約方針を策定し、実績を公表することなどを定めています。地方公共団体には努力義務ですが、羽村市や西東京市などは環境配慮契約の方針を定め、電気供給やESCO事業、建築物の設計や維持管理、産業廃棄物処理での環境配慮契約に取り組んでいます。小平市第二次環境基本計画では、環境配慮型工事の実施や、環境配慮型建材及び再生材料の使用促進が、施策として掲げられています。小平市も、電気供給以外も含む環境配慮契約の方針を策定し、取り組んではいかがでしょうか

 

○小林市長

第3点目の電力供給以外も含む環境配慮契約方針の策定でございますが、市では現在、小平市調達の基本指針に基づく品質の確保と環境配慮の原則のほか、環境基本計画における環境配慮の施策等に基づき、公共調達に努めております。調達案件ごとに、環境配慮の視点を踏まえた仕様書の作成等を行って契約していることから、現在のところ、電気供給以外も含む環境配慮契約の方針を策定することは考えておりません。

 

4. 一方、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)」は、国等に環境負荷低減に資する製品・サービスの調達を義務付け、調達方針の策定や調達目標の設定、実施を求めています。地方自治体は、調達方針の策定と実施が努力義務となっています。小平市では、2010年にグリーン調達指針が示されましたが、目標値等の設定はなく、調達状況も把握されていません。西東京市では、2016年に「西東京市環境物品等の調達がガイドライン」を改定し、手洗い・食器用洗剤は石けんにすることを明記したほか、毎年発行する「西東京市環境白書環境活動レポート」で、コピー用紙と封筒の購入量と基準年度比の増減値、各課・施設での集計表記入に基づくグリーン購入率を公表しています。小平市でも、グリーン調達について、目標や実績を公表する仕組みを整えるべきではないでしょうか。

 

○小林市長

第4点目のグリーン調達に関する目標や実績を公表する仕組みでございますが、製品やサービスの調達に当たっては、新任職員研修、予算事務担当者説明会、契約・会計事務担当者説明会等の機会を捉えて、グリーン調達の必要性について周知し、職員の意識向上を図っております。目標の設定や実績の把握、公表は考えておりませんが、毎年度、環境行動チェックシートによる調査により、グリーン調達に努めている職員の割合を把握し、公表しております。

 

○水口かずえ

グリーン調達なんですけれども、小平市調達の基本方針では、基本理念(2)品質確保と環境配慮の原則として、「④調達の履行検証と評価の仕組みを導入します」と書いてあります。グリーン調達でこの履行検証と評価の仕組みは導入されているのでしょうか。

 

○白倉総務部長

この小平市の調達の基本方針の基本理念、「品質確保と環境配慮の原則」の4番目の「調達の履行検証と評価の仕組みを導入します」ということでございますが、こちらのほうは、具体的には5の「小平市の調達の個別目標」というところに掲げておりまして、この中でプロポーザル方式による調達の検証作業の実施、また、(仮称)入札等監視委員会による検証の仕組みの構築、業務履行検査、納品検査の強化・徹底の3つの取組をしていくこととなっております。

そのため、環境配慮に特化した履行検証と評価の仕組みについては導入はしていないところでございます。

 

○水口かずえ

ぜひ、このグリーン調達に関しても、契約の履行の検証と評価の仕組を導入してほしいと思います。

小平市のグリーン調達指針は、グリーン購入基本原則に基づいて必要性の考慮や製品サービスのライフサイクルの考慮などの項目を挙げています。しかし、このグリーン購入ネットワークが定めたグリーン購入基本原則が2018年に改訂されていて、それまでのものに加え、社会面の配慮などの項目が新たに加わっています。この10年前に策定したグリーン調達方針は改訂すべきではないでしょうか。

 

 ○田中環境部長

グリーン購入ネットワークが定めております基本原則の改訂内容につきましては把握しておりますので、次期環境基本計画の中で包含しているエコダイラ・オフィス計画の策定作業の中で進めてまいりたいと考えております。

 

○水口かずえ

それでは、調達方針も新しくしていただけるということだったかなと思います。ぜひ、その中には履行の検証と評価の仕組みも入れていただきますようお願いいたします。

5.小平市第二次環境基本計画では、緑のネットワークの形成の施策として、野草ガイドとして活躍できる野草育成ボランティアの養成が掲げられましたが、その現状についてお教えください。

 

○小林市長

第5点目の野草育成ボランティアの養成でございますが、小平市グリーンロード推進協議会で活動されていた自生野草の会が、小平市グリーンロード推進協議会がこだいら観光まちづくり協会に統合された後も、引き続き、野草育成ボランティアとして、玉川上水の野草保護ゾーンの管理、育苗、PR活動などを行っております。