質問件名 小平市でも外遊びの推進を

 

質問要旨

 空地や自然空間、あそび仲間の減少、交通量の増加や大人の見守りの希薄化など生活環境の変化で、子どもの外遊びが減っています。シチズンホールディングス㈱が2016年6月に公表した「子どもの時間感覚35年の推移」によると、小学校高学年の子ども達が外で遊ぶ平均時間は、1981年の2時間11分から2016年は1時間12分へと59分減少しました。コロナ禍で外遊びの時間は更に減っており、近視予防フォーラムの調査では、子どもが1日に外で遊ぶ平均時間は、2019年の61.1分から2020年6月には35.4分と42%減少しています。外遊びで、子どもは外気温の変化に触れ、遊んで汗をかくことで、体温の調節などの自律神経機能や体力が向上し、ストレスや不安を解消し、遊びを通した友達との関わりや人との出会いで、社会適応能力も高まります。政府は今年7月7日に「こども政策の推進に係る作業部会」を開催し、こども庁創設に向けて動き出しました。それに先立ち自民党の国会議員グループが出したこども庁創設に向けた第二次提言では、外遊びのできる環境・体制の整備も課題として上げられています。

 

  1. ユニセフのイノチェンティ研究所が、昨年刊行した「レポートカード16 子どもたちに影響する世界:先進国の子どもの幸福度を形作るものは何か」で、日本の子どもの精神的幸福度は、自殺率の高さや生活満足度の低さのため38か国中37位でした。同レポートでは、子どもが外で遊ぶ頻度と幸福感には関連があり、毎日外で遊ぶ子の方がほとんど遊ばない子より幸福感が高いことが示されました。子どもの幸福度と外遊びについて、市の見解をお聞かせください。
  2. 子どもの視力低下が進んでおり、文部科学省の学校保健統計調査で裸眼視力1.0未満の子の割合を2004(平成16)年度と2020(令和2)年度で比較すると、5歳児で20.78%から27.9%へ、小学生で25.55%から37.52%へ、中学生で47.68%から58.29%へと増加しています。近視予防フォーラムの坪田一男慶応義塾大学名誉教授は、外で過ごす時間が減ったことが、近視急増の最大の原因との研究があることを紹介し、同教授が代表を務める近視研究会は、学童の近視進行予防のために、1日に2時間は外で遊ぶことなどを推奨しています。小平市では、子どもの近視予防のために何か対策はしていますか。
  3. 千代田区が2013(平成25)年に制定した「子どもの遊び場に関する基本条例」は、区や区民が子どもが外でのびのびと遊ぶことができる環境づくりに協力することを目的とし、遊び場と、運営を行う人材の確保等を定めています。同区は、この条例に基づき、区内の公園や廃校となった小中学校グランド9か所を使って、平日の午後や土日に、プレーリーダーとボール遊びができる場所や時間を設けています。小平市でも、ボール遊びができる公園等で、同様の事業を行ってはいかがでしょうか。
  4. 保育所保育指針には、子どもが自然に触れることや、自然のなかでのびのびと遊ぶことが保育の内容として含まれています。また、文部科学省の幼児期運動指針は、外遊びの時間が多い幼児ほど体力が高い傾向にあるとし、幼児が体を動かす時間として「毎日、合計60分以上」を目安としました。一方、放課後児童クラブ運営指針は、子どもの遊びを豊かにするため、屋外遊びを行う場所を確保することを求めています。新潟県三条市は、保育所等で幼児が運動遊びをする時間の目安や遊び方を紹介する「三条版運動遊びプログラム」を2017(平成29)年に公表しました。市は、保育所や幼稚園、児童館、学童クラブ等の子ども向け施設での外遊びの実態を把握していますか。それら施設での外遊びの現状と増やすための施策をお教えください。
  5. 世田谷区の「子ども計画(第2期)」(平成27~令和6年度)は、子どもの生きる力を育むため、外遊びを推奨し、全ての子どもが身近な場所で外遊びができる環境を整備することを施策に掲げ、外遊び検討委員会を設けて外遊びを推進するための課題や体制について報告書をまとめ、取り組んでいます。小平市子ども・若者計画にも外遊びの推進を盛り込んではどうでしょうか。
  6. 世田谷区は「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに、どろんこ遊び、木登り、工作、たき火など、他所ではできないような遊びを自然の中で自由にできるプレーパークの国内発祥の地で、1979(昭和54)年に区と住民の協働事業として始まった羽根木プレーパークをはじめ、現在4つのプレーパークがあります。市長は87の政策に、子どもの自由な遊びを保障するためプレーパークにプレーリーダーを配置することを掲げましたが、プレーパークの推進に対する市長のお考えをお聞かせください。
  7. 世田谷区は、外遊び推進の一環として、スタッフが遊び道具をリヤカーや車に積み、公園で乳幼児親子や小学生の遊びを支援する「プレーリヤカー、プレーカー」事業を17か所の公園で月1,2回ずつ実施しています。国分寺市も同様に、市内10か所の公園をプレイリーダーが週1回ずつ訪れ、午前中は乳幼児親子、午後は小学生と一緒に遊ぶ「青空ひろば」を2017年から実施しています。小平市でも同様の取り組みをしてはどうでしょうか。
  8. 川崎市は、2000(平成12)年に成立した川崎市子どもの権利に関する条例を具体化するための施設として2003年に川崎市子ども夢パークをオープンしました。9871㎡の敷地に、プレーパークやスタジオ、交流スペース、フリースペースなどが設置され、月1回のお休みを除き毎日朝9時から夜9時まで開いています。子どもの遊びや活動を保障するため、子どもの権利条例は重要な役割を果たします。子どもの権利条例に対する市長のお考えをお聞かせください。

 

○小林市長

 

答弁担当 

  • 子ども家庭部 子育て支援課 
  • 子ども家庭部 家庭支援担当課長 
  • 子ども家庭部、保育課 
  • 子ども家庭部保育指導担当課長 
  • 環境部 水と緑と公園課
  • 教育部 学務課 
  • 教育部 地域学習支援課 

 

 水口かずえ議員の一般質問にお答えいたします。 

 はじめに、「小平市でも外遊びの推進を」の第1点目の子どもの幸福度と外遊びについての見解でございますが、子どもにとって外遊びが有意義であることは認識しておりますが、幸福の感じ方は人それぞれ であり、一概に判断できるものではないと考えております。 

 第3点目の千代田区の子どもの遊び場事業と同様の事業の実施でございますが、市では現在、学校施設遊び場開放事業として、祝日を除く月曜日から金曜日までの放課後等に小学校の校庭を開放して 

おります。また、原則として、5百平方メートル以上の面積の公園においても、やわらかいボールで、コントロールが可能な場合は ボール遊びができるようにしており、子どもが外でのびのびと遊ぶこと 

ができる環境は、すでに整備できているものと考えております。 

 第4点目の子ども向け施設での外遊びの現状でございますが、各施設では、園庭や校庭、近くの公園などにおいて、適宜外遊びを 行っているものと認識しております。 

また、外遊びを増やすための施策でございますが、引き続き、天候など安全面に配慮しながら、子ども向け施設での体を動かす活動を推進してまいります。 

 第5点目の子ども・若者計画に外遊びの推進を盛り込むことでございますが、本計画では、子ども・若者が気軽に安心して遊んだり過ごしたりできる居場所づくりを推進しており、現時点において新たな施策は考えておりません。 

 第6点目のプレーパークの推進に対する考えでございますが、市では、プレーパークとして使用できる きつねっぱら公園を整備し、市民や団体がプレーリーダーを配置するなど、自由にプレーパークを実施することができるようにしております。また、市がプレーリーダーを配置することにつきましては、プレーパークの実施規模や方法、費用等の課題とともに、市の関与など基本的な考え方の整理が必要と考えております。 

 第7点目の世田谷区や国分寺市と同様の事業の実施でございますが、市では、保育園や幼稚園に通っていない乳幼児親子に対する子育て支援を目的とした園庭開放や行事、小学校における学校施設遊び場開放事業などが行われていることから、公園での取組は考えておりません。 

 第8点目の子どもの権利条例に対する考えでございますが、児童の権利に関する条約が児童福祉法や子ども・若者育成支援推進法に規定されており、現在はそれらに則り、施策を推進しております。 

 第2点目につきましては、教育委員会から答弁申し上げます。 

 

○教育長答弁 

 

答弁担当 

  • 教育部 学務課 
  • 子ども家庭部 子育て支援課 
  • 子ども家庭部 家庭支援担当課長 
  • 子ども家庭部 保育課 
  • 子ども家庭部 保育指導担当課長 〇環境部 水と緑と公園課 
  • 教育部 地域学習支援課 

 第2点目の子どもの近視予防のための対策でございますが、小・中学校におきましては、視力検査の実施時や、目の愛護デーなどの時期に合わせた指導や啓発を行うとともに、各校において、家庭におけるスマートフォンの使用等にかかる注意喚起や、授業におけるパソコン使用時の姿勢に関する指導などに取り組んでおります。 

 

○水口かずえ

 まず、1点目です。ユニセフのレポートカード16では、15ヶ国のデータを用いて、毎日外で遊ぶ子と週1回未満しか外で遊ばない子の幸福指数の平均を比べると、すべての国で毎日外で遊んでいる子の方が幸福感の平均値が高いということが示されています。同レポートの日本語版にイノチェンティ研究所研究員が寄せた解説文には、日本の都市部にはあまり遊ぶ場所がなく、都市計画の中で何を優先するのか、子どもの当たり前の活動である遊びをどう位置付けるかが重要だと書かれています。

 子どもの幸福感を高めるために、外遊びの場を意識的に積極的に増やしていくという施策が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

 

○伊藤子ども家庭部長

 はい、そのレポートについては、拝見させていただきました。市長答弁でも申し上げましたとおり、外遊びが大変有意義だということは認識しておりますし、市としても、市長答弁でも申し上げましたとおり、遊び場の確保ということには、常に取り組んでいるところでございます。まあ、ただ、その幸福度というところでは、ご答弁でも申し上げました通り、まあ一つの指標として、そういう結果が、日本のデータはちょっと無いようでございますけれども、出ているということは、レポートを見て、そこはそうなんだなということは認識させていただきましたけれども、やはり、まあ答弁にもございますように、大人にとっては外遊びというのは大変好ましいものというふうに、子どもにやっていって欲しいなというふうに思うのがあるとは思うのですが、子どもにとってはですね、いろんな子がいらっしゃいますので、外遊びはちょっと苦手で、読書とか部屋の中で過ごすほうが心地よいという方もいらっしゃるかなと思いますので、まあそのあたり、多様なのかなと思いますので、できる限りそういう場は確保していくということで進めていきたいと思っております。

 

○水口かずえ

 確かにいろんな子がいるとは思うんですけれど、この平均値で見た場合、外で毎日遊んでいる子のほうが幸福感が高いというようなことがデータで示されています。外遊びの場の確保はしていきたいというふうにご答弁いただきましたので、ぜひ推進していただければと思います。

 2点目です。学校保健統計で近視がすごく増えています。市として何が原因だと考えますでしょうか。

 

○川上教育部長

 一番大きい原因は、昨今、家庭でも使用されておりますスマートフォン、タブレット端末、それによるゲームが長時間にわたって行われていることが原因ではないかというふうに推察しております。

 

○水口かずえ

 いろいろなコロナ後のレポートとかを見ても、スマホとかゲームとかの時間は増えているんだけれども、一方で外遊びの時間はすごく減っているという調査結果がいくつか出ています。

 近視を減らしていく、抑制していくために、外遊びをもっとしていくということが意味があるというか、大切ではないかと思うのですが、その辺についてはどう思われますか?

 

○川上教育部長

 外遊び、目にとっても大変有効であると認識をしております。休み時間、10分休憩ですとか昼食後の休憩時間、こういった時間を使いまして、児童・生徒には、太陽光の下で過ごすような形を促しております。また、目の愛護デーですかね、10月10日でございますけれども、この時期に合わせまして、保健だよりを出しておりまして、この中で、目を大切にしましょうということで、遠くを見たりですとか、目を閉じて休憩をする、眼鏡も度の合ったものにするといった、日常からチェックできるようなことを各家庭にも促しております。

 

○水口かずえ

 教育委員会としても、外遊びというのが視力の低下の抑止にも役立つというご認識というふうに捉えました。ぜひ、外遊びを増やしていく取り組みを学校現場でもやっていただきますようお願いいたします。

 3点目です。市のホームページを見ると、ボール遊びができる公園というのは、500平方メートル以上だと、基本的にはボール遊びができる。それを見ると、105個ぐらい市内の公園でボール遊びができるのかなと数えたんですけれども、地域別に見ると、小川西町とか花小金井は13個ぐらいあるんですけれども、上水新町とかたかの台とか喜平町、仲町には、ボール遊びができる公園というのが一個ずつしかないとか、地域によって偏りがあるように思います。このようにボール遊びができる公園が少ない地域に対して、もうちょっと何か、ボール遊びができる場を確保していくような施策というのは考えられないのでしょうか。

 

○田中環境部長

 ボール遊びができる公園の増加につきましては、どうしてもある程度の広さであるとか形状が必要になってまいりますので、あまり狭い公園、特に住宅地内にできているような小さな、開発時の提供公園などですと、なかなかそれだけの広さがなくて安全性が担保できませんので、考えていないところでございます。

 

○水口かずえ

 特にボール遊びができる公園が少ない地域などは、500平方メートルと言わず、例えば400平方メートル以上の公園を、時間を区切って午後とか、ボール遊びができるようにするというような施策も考えられるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

○田中環境部長

 時間を区切ってなどといった場合、なかなか管理がちょっと難しいと考えておりますので、今後、先ほど議員がおっしゃいました400平方メートル以上といった多少の大きさの公園が、実際にそういう地区にあるのかどうかというのは、ちょっと確認してまいりたいと考えておりますが、ある一定の基準を設けなければいけませんので、今のところは500平方メートル以上とさせていただきたいと考えております。

 

○水口かずえ

 少ない地域は400平方メートル以上ボール遊び可にするなど、柔軟な施策をお願いいたします。

4点目です。保育園や幼稚園、児童館など子ども向け施設で、外遊びを推進していくということは重要かと思います。このような、例えば保育園とかでどのくらい外遊びをされているのかという報告のようなものは受けていらっしゃるんでしょうか。

 

○伊藤子ども家庭部長

 特に報告ということは求めてもいないですし、小平市の場合には、比較的保育園も園庭がございますし、広いところもございますし、公園もあったりということで、学童クラブにおいても校庭が使えるというような、そういった恵まれた環境にありますので、昨今は、酷暑でちょっとなかなか外で遊ぶのも危険というような状況もございますけれども、そういったことを避けながら、外で遊んでいただくということは、かなりやれているなというふうに考えております。

 

○水口かずえ

 新潟県三条市の三条版運動遊びプログラムというのでは、1日60分以上体を動かして遊びましょうというような目安を示して、年齢ごとに何分は保育園で体を動かす遊びをするのが望ましいという指針を出しているんですけれども、小平でもそのような目安のようなものを出すということはいかがでしょうか。

 

○伊藤子ども家庭部長

 三条市のは私も見せていただきましたけれども、文部科学省の幼児期運動指針のほうを確認いたしましても、単に遊びということだけじゃなくてですね、三条市のほうでもお手伝いを含めて1日60分ということでうたっているところでございますので、遊びに限らず、この大きな目的は、運動機能をきちんと備えていくとか、いろんな体験をしたり、外の自然に触れたりしながら、いろいろな人との関わりですとか、そういったことを学んでいくことも大きいかなと思いますので、指針については当然推進する立場でございますけれども、今のところは特段、何分以上とか、そういったものは考えておりません。引き続き指針は推進していきたいとは考えております。

 

○水口かずえ

 文部科学省のほうの幼児期運動指針で、1日60分以上体を動かしましょうというものもありますので、幼児が1日の長い間を過ごす保育所や幼稚園で外遊びが推進されるように、市としても取り組みをお願いいたします。

 5点目です。小平市子ども・若者計画、現在、居場所など書かれているんですけれども、子どものそもそも遊ぶ権利、子どもの権利条約では、子どもの権利の中に育つ権利があり、それを保障するために、子どもが休み、遊ぶ権利があるということが規定されています。小平市の子ども・若者計画でも、子どもには遊ぶ権利があるんだということを盛り込んでいく必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

○伊藤子ども家庭部長

 小平市子ども・若者計画でも、当然、もととなる法律が子ども・子育て支援法ということで、そこには子どもの権利条約の規定が設けられております。それをもちろん大切にするということは当然のことでございますけれども、子どもの権利条約自体は多岐にわたっているものでございます。その中の外遊びのみを取り出して、ここに特段設けていくかというと、それはちょっとバランスとしてはどうかなということで、幅広にやはりいろんなことを進めていかなければいけないということで考えております。

 小平市子ども・若者計画は、特に対象年齢が中学生から29歳という結構高いところをターゲットにしておりまして、さらに、恵まれない環境にある、困難を抱えた若者の支援というところを重点に置いている計画でございますので、そこのところで外遊びのみを特段うたっていくということは、ちょっと今の計画の性質とも少し違うのかなというふうに感じております。

 

○水口かずえ

 世田谷区では、外遊びを推進するということを子ども計画の中ではっきり打ち出しています。外遊びだけではなくて、子どもの遊ぶ権利というところは、基本的にやはりおさえてほしいなというか、入れてほしいなと思います。小平市子ども・若者計画の改訂はまだ先かと思いますが、次期の計画の際には、ぜひ遊ぶ権利というものをきちんと明確に入れていただければと要望いたします。

 6点目です。プレーパークですけれども、市としては、プレーパークは、きつねっぱら公園子どもキャンプ場がプレーパークという認識でよろしいのでしょうか。

 

○伊藤子ども家庭部長

 場としてのプレーパークは、そちらに設置しているという認識でございます。

 

○水口かずえ

 世田谷区や川崎市など、プレーパークと打ち出して実施しているところでは、必ずプレーリーダーというものがプレーパークにはいて、子どもと一緒に遊びをやっていくという形でやっています。やはりプレーリーダーがプレーパークに必須だと思いますが、その辺はいかがでしょうか。

 

○伊藤子ども家庭部長

 プレーパークというものの統一的な定義はないかなというふうに認識しております。いろんな自治体を調べますと、プレーパークと明確に打ち出しているところと、さまざまな名称で、冒険遊び場ですとか、議員のほうからもご披瀝のあったいろんな遊び方というか、そういった場が、いろんな市で展開されているのかなというふうに考えておりまして、そういったこともあって、プレーパークというものをどう捉えるか、何に重点を置くかというところで、各市の定義を見てみますと、自己責任というところを強くうたったりですとか、そこはうたわずに、市が割と関与するかたちで、責任を持ってやるというふうにしているとか、さまざまなものがあるようでございますので、私どもとしては、プレーリーダーというものがどういうものかというのも、今はちょっとまだはっきり固まっておりませんけれども、その辺は少し、いろいろな自治体の例とか、柔軟にちょっと研究させて、情報収集させていただきながら、どういった形がいいのかなというのは、今後考えていきたいと思います。

 

○水口かずえ

 プレーパークの理念としては、自分の責任で自由に遊ぶというのが基本にはなっています。ただ、子どもたちがどろんこ遊びだとか、たき火だとか、木登りだとかするときに、やはり大人が見守っているというところの安心感が必要になると思います。プレーリーダーはプレーパークにはやはり必要な存在、子どもたちが相談したり頼ったりすることができる大人がいるということは重要だと思います。ぜひプレーリーダーを置くことを計画的に考え、検討していっていただきたいとお願いいたします。

 現在、プレーパークと市が言っている、きつねっぱら公園子どもキャンプ場なんですけれども、今年の4月に隣の雑木林でぼや騒ぎがあり、現在、子どもキャンプ場で火の使用ができなくなっているんですけれども、やはりキャンプ場には火の使用が不可欠だということで、火の使用を早く復活させてほしいという要望の声を聞いています。その辺はいかがでしょうか。

 

○篠宮文化スポーツ担当部長

 子どもキャンプ場につきましては、火の使用は特段今、規制はしておりません。決められた場所で使っていただくということになっておりますが、前段、今ご説明があった、樹林地でぼやがあったということはお聞きしております。そのぼやの原因がキャンプ場でバーベキューをやって、植え込みにその炭を炭を捨てたことによって、それが樹林地に転がっていって、樹林地が燃え広がって、下草が燃えたというものになります。その中で、希少植物であるところも焼失したとお聞きしております。

 ただ、今は、当面は炭での利用はご遠慮いただいているところでございますが、ホームページにも載せてありますが、炭火以外での火気の利用については、決められた場所で使用してくださいということなので、種火とならないようなものでしたら可能ですので、例えばカセットコンロであったり、ガスを使うものであったりということは、現在可能でございます。

 

○水口かずえ

 カセットコンロとかというのは聞いてはいるんですけれども、やはりキャンプをやるときとかに、炭を使ってとか、たき火のようなものとか、直火を使ってというのは、やはり求められていることかと思います。

 小平市でずっと20年以上プレーパークの活動を自主的に実践されているNPOでは、毎年、きつねっぱら公園で、秋から冬になると、焼き芋をやったりとか、たき火をやったりというようなこともしています。そういうことがちゃんと継続できるように、火の使用、直火の使用、燃えかすの持ち帰りなど、そういうルールを徹底させた上で、早めに再開していただければと思いますが、いかがでしょうか。

 

◯篠宮文化スポーツ担当部長

 ずっと止めているということではございません。ただ、今回、みなさまが大切にしている樹林地であったり、希少植物ですか。そういうものが失われるということも、ぜひみなさまにも知っていただいて、その周知ということもございますので、当面の間は炭は使わないで、決められた場所でほかの火を使ってということは認めておりますので、そこで現在はご理解をいただきたいと思います。

 

○水口かずえ

 焼き芋とかたき火とかの季節になる前にぜひ、その辺は、ルールの徹底の上、炭等の直火の使用も認めていただけるよう善処をお願いいたします。

 プレーパークに対する補助金についてです。平成30年3月に発行された東京都子供・子育て支援総合計画中間見直し版へのパブコメで、子どもの遊ぶ環境について都民から寄せられた意見に対し、東京都の回答は、子育て支援の実施主体である区市町村が、地域の実情に応じて行うプレーパーク等の実施や補助事業を、子供家庭支援区市町村包括補助などで支援していますと回答しています。この子供家庭支援区市町村包括補助、小平市でもプレーパークの事業を行う際に活用できるものではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

○伊藤子ども家庭部長

 確かにですね、市長答弁でも申し上げましたように、プレーパーク、今後、プレーリーダーの配置をどうするかというところにつきましては、課題の一つには、費用ということはございます。その場合、当然財源を探していくということはございますけれども、今ご紹介のあった子供家庭支援区市町村包括補助、こちらはですね、それほど自由度の高いものではございませんで、事業のリストアップされたものもございますけれども、その数もですね、ちょっと今、数えていないんですけれども、アから始まってヤまであるというような状況で、私どももこの包括補助は、いろいろな事業に活用しておりますけれども、もう既に、事業数ですと20事業ぐらい、額としても4,000万円程度入ってきているものでございます。

 その中でもですね、大体は病児保育ですとか、メニューが決まっておりまして、唯一、市独自にいろいろやるときに活用できるかなというものがございますけれども、それも2事業ほど、今挙げているものがございますけれども、かなり査定の厳しい状況でございます。小平市としては、ティーンズ相談とか、かなり先駆的に独自に取り組んだものは、これは適用となっておりますけれども、必ずしもプレーパークをやるからといって、この補助を活用できるというような状況ではございません。

 

○水口かずえ

 東京都自身がパブリックコメントの中で子供家庭支援区市町村包括補助で支援していると書いていますので、ぜひ研究を進めていただければと思います。

 もし、プレーパーク事業にこれを活用した場合、補助率はいくらぐらいになるのでしょうか。

 

○伊藤子ども家庭部長

 補助率は2分の1でございますが、ただ、総額がございますので、ポイントを稼いでいって、すべての事業で、そこから額が出てくるということなので、かかった事業の2分の1という単純な計算ではないものでございます。

 

○水口かずえ

 では、ぜひ前向きに検討していただければと思います。

 7点目に移ります。プレーリヤカー、プレーカーなんですけれども、小平市では、子ども広場をかなり拡充しているかと思います。一昨年度から実施する曜日を増やし、また、今年度からは子ども広場の実施場所を3ヶ所増やし、週1回の出張子ども広場を7ヶ所新たに開設など、拡充を進めています。この子ども広場の拡充に外遊びの要素も加えてはいかがでしょうか。

 

○伊藤子ども家庭部長

 こちらの拡充につきましては、純粋な拡充というよりは、これまでふれあい広場ということで、乳幼児向けに午前中のみ開催していたものを、対象を中学生まで広げまして、一日中開催するようなことで、補助金も獲得できて実施できたものでございます。なので、箇所数とかが純粋に広がったわけではないのですが、ただ、対象年齢も広がったということで、かなり喜んでいただけてはいるかなというふうには思っております。

 この広場をおそらく屋外にまでということですかね、そういうことになるかと思うんですけれども、ただ、先ほど来議員がおっしゃる趣旨、プレーリーダーのような形ということになりますと、やはり考え方がですね、どういうふうに考えるかなんですけれども、多少危険なこともさせていこうとか、そういったことをもし含むのであればですね、これはいろんなプレーパーク、自己の責任でと言いつつ、プレーパークにプレーリーダーを置けば、これはもう市の責任になるわけでございますから、そのあたりがですね、市の責任度合いとか、どこまで関与すべきかとか、見守りの人にどういった人を充てるかとか、そういったことはちょっとやはり最初のプレーパーク、プレーリーダーの考え方というところを少し整理しないといけないかなというふうに考えております。

 

○水口かずえ

 例えば、世田谷区の事業などは、地域のボランティアの方の力とかも借りて、外で遊ぶための道具とかを持って公園に行って、一緒に外で遊びましょうという、危険なというよりは、乳幼児向けの午前中のほうかもしれませんが、一緒に外で遊ぼうというところを主眼にしてやっている事業かと思います。やはり外遊びが大切ということは、認識いただいているかと思いますので、ぜひ、このような、青空広場のような事業も検討していただければと思います。

 最後、8点目です。やはり子どもの施策を推進していく上で、子どもの権利というのをまず明確にする、子どもの権利条例というのは、子ども施策の土台になりうるものだと思います。改めて子どもの権利条例に対する市の策定へ向けたお考えをお聞かせください。

 

○伊藤子ども家庭部長

 子どもの権利条例の理念自体は、条約も批准し、児童福祉法等にも規定されておりますので、当然、異論はございませんし、厚生委員会等でも議論があったことですとか、その内容も承知しております。

 ただ、昨今の他市での条例制定の事例などを見ますと、やはり実効性をもたせるためということで、例えば独立の相談ですとか、救済機関を設けるというような規定も多く見受けられます。また、子どもの虐待防止のために必要性を主張される向きも結構あるんじゃないかなというふうに考えております。

 しかしながら、やはり、子どもを虐待から守るためには、そういった条例で市民のご協力を仰いだり、啓発ということは重要だと思いますけれども、何より、やはり現場ですとか、関係機関の連携が機能しなければならないというふうに考えてございます。やはり、条例を制定するからにはですね、もちろん子どもの権利を保障するという、そして、市民に啓発したりということはありつつですね、やはり、現場を後押しするような、そういったものであってほしいというか、なくてはならないというふうに考えておりまして、実効性をもたせるがゆえにですね、そういった独自の制度を設けていくとか、そういったことが出てきますと、やはりこれは現場の混乱というか、少し差し障りが出てくるかなというふうに考えております。

 ですので、その辺に何を盛り込んでいく必要があるのかとか、あと、東京都のほうで4月に東京都子どもの基本条例、施行されております。特段、市に関係する規定というのは、まああまりないのかなというふうに考えておりますけれども、今、制定済みの市ですとか、検討中の市もあるようでございますので、そちらの動向を注視して、市としてまた、重ねて条例をつくるとしたら、何が必要なのか、何を盛り込むことがいいのかということを引き続き研究していきたいというふうに思っております。

 

○水口かずえ

 ぜひ、現場の後押しにもなるような条例を検討していただければと思います。