※各質問ごとに答弁・再質問をまとめてあります。
質問件名 多文化共生社会と外国人の人権の確立に向けた市の取り組みを問う
質問要旨
日本における在留外国人数は増加し、2019年には在留外国人の割合が過去最高の2.32%となりました。小平市第四次長期総合計画策定に向けた基礎資料集によると、平成30年10月時点で市内の外国人住民は5,063人で、外国人人口割合の2.6%は国の平均より高く、多摩26市中でも2番目に高い値です。小平市の外国人人口割合が高い要因としては、朝鮮大学校や、一橋大学の国際学生宿舎やゲストハウスがあることが挙げられます。市内では、ベトナムやフィリピン国籍の方も増加しています。
今後も増加が見込まれる外国人の人権を保障し、多文化共生社会を築くための市の取組をお聞きします。
1、総務省が平成18年に公表し、昨年9月に改訂した「地域における多文化共生推進プラン」では、市区町村の役割として、外国人のコミュニケーション支援や生活支援、地域の意識啓発など、多文化共生の推進に関する指針・計画を策定し、取り組むことを求めています。総務省によると、昨年4月時点で、指定都市を除く全国の市の71%で、多文化共生の推進に係る指針・計画を策定しています。小平市での策定状況についてお教えください。
○小林市長
第1点目の小平市での多文化共生の推進に係る指針・計画の策定状況でございますが、平成28年度に改定した小平市の文化振興の基本方針において、東京2020大会を契機とした国際交流の推進として多文化共生社会の実現を目指すことを掲げております。
○水口かずえ
多文化共生社会と外国人の人権の確立に向けた市の取組についてです。先ほど、多文化共生推進プランの指針・計画としては文化振興方針に入っているということでしたけれども、多文化共生と今言った時に、外国人の方は教育と医療とか保険、労働とか多様な分野にわたって生活する上で色々な困難を抱える場合があると思います。文化にとどまらないわけで、この文化振興基本方針にちょっと書いただけでは収まらないと思いますけれども、市として今後、多文化共生を本気で進めるための指針や計画を作っていこうという考えはないのでしょうか。
○篠宮文化スポーツ担当部長
答弁のほうでは、現在の文化振興の基本方針のほうで、オリンピックとパラリンピックにからめて、多文化共生というところを位置づけているものでございます。
今、この計画につきましては、令和4年度までとなっておりますので、次、令和5年度、同じような計画、計画というか基本方針になりますが、こちらを策定をする中で、多文化共生の専用のプランを作るかどうかというところも含めて、今後検討が必要であると考えております。
○水口かずえ
ありがとうございます。ぜひ、多文化共生を含めて、ぜひそれにちゃんと取り組める指針、計画を別に作っていただければと思います。
あとは、担当していただける部署なんですけれども、現在は文化スポーツ課が担当してくださっているんですけれども、実際、外国人の方が生活していく上では、先ほど申したように、医療や教育、保育や労働など、様々な分野にわたっていろいろな問題を抱えていらっしゃると思います。文化スポーツ課だけでは担い切れなくなっていくと思いますけれども、その辺、多文化共生のための部署を設けていただくようなことはできないのでしょうか。
○篠宮文化スポーツ担当部長
今、ご指摘のとおり、文化スポーツ部門で多文化共生というところを担当しております。こちらは国際交流協会と様々連携をしながら事業を進めているところでございますが、現在各部署にわたってこの多文化共生という考え方は広まっておりますので、ここで新たに組織を作るということはご回答することはできませんが、全庁を上げてそのような検討等を進めていくことは必要であると考えております。
○水口かずえ
昨年3月の市議会定例会で、竹井ようこ議員が、多文化共生推進課のような課を設ける必要があるのではないかと質問され、それに対する答弁として市は、今後必要に応じて検討すると答弁されましたが、この検討はしていただいてるということでしょうか。
○篠宮文化スポーツ担当部長
前回、2年前になるかと思いますが、具体的な組織を今作るというところは、検討はしておりません。今、地域振興部の文化スポーツ課で国際交流協会との連携をしてやっていくというところで現在のところは進めているところでございます。
○水口かずえ
今後、先ほど申し上げたように、文化だけにはとどまりませんので、横断的に必要性が出てきていると思いますので、その辺はきちんと対応していけるような組織体制を作っていただけますようお願いいたします。
2、小平市第四次長期総合計画では、基本目標IIくらしづくりの方針4に「お互いに尊重し、活躍できる社会の実現」を掲げ、多文化共生という言葉が初めて入れられました。しかし、今年5月に公表された2024年度までの小平市第四次長期総合計画第1期中期実行プランでは、「多様性を尊重する地域社会の実現」のための国際交流事業として、国際交流協会への補助金を令和3年度予算と同額の1,429万9,000円で令和6年度まで続けることが示されているのみで、多文化共生に新たに取り組む意欲が感じられません。多文化共生を目指す施策の今後の方針をお教えください。
○小林市長
第2点目の多文化共生を目指す今後の方針でございますが、小平市国際交流協会では多文化共生及び多文化理解促進を目的とした講座や、やさしい日本語の学習会、外国人を対象とした生活情報を提供する説明会を開催しております。これらの事業を継続して行いつつ、新たな取組について研究し、市と小平市国際交流協会で連携して、多文化共生の地域づくりを推進してまいります。
また、次期小平市の文化振興の基本方針の策定にかかる検討の中で、地域での在住外国人が抱えている課題の把握に努め、東京都により昨年10月1日に設立されました一般財団法人東京都つながり創生財団などとの連携など、小平市の実情に応じた施策を検討してまいります。
3、市内に技能実習生は何名いて、それらの方々はどこでどんな実習をしているのか、市内で技能実習生を受け入れている事業所はどれくらいあるのか、把握していればお教えください。また、それらの方々が生活で困難を抱えたときに相談を受け付ける市の窓口はどこですか。
○小林市長
第3点目の市内の技能実習生の人数でございますが、出入国管理及び 難民認定法に定められた在留資格に基づき集計している外国人の人数では、先月1日時点で、197人でございますが、その実習内容や市内で技能実習生を受け入れている事業所数については把握しておりません。
また、生活で困難を抱えたときの相談窓口につきましては、技能実習生に限らず、こだいら生活相談支援センターでお受けしております。
4、市民課での多言語対応はどのように行っていますか。外国人の方に、ごみの出し方等の地域のルールはどのように伝えていますか。
○小林市長
第4点目の市民課での多言語対応でございますが、窓口での手続きで想定される基本的な問合せ事項を示した外国人のための窓口会話事例集を活用するとともに、電話による多言語通訳サービスを実施しております。
また、外国人の方へのごみの出し方等の地域ルールの伝え方でございますが、資源とごみの出し方につきましては、外国語版のパンフレットを作成し、市役所の窓口や小平市国際交流協会等を通じて配布をしております。
5、一橋大学国際学生宿舎には、寮生が入るISDAKという組織があります。市内の外国人支援に、このような組織など、大学の協力は得られないでしょうか。また、こだいらブルーベリーリーグに朝鮮大学校が入っていない理由をお教えください。
○小林市長
第5点目の市内の外国人支援に対する大学等の協力でございますが、市では、市内7つの大学等で組織される小平市大学連携協議会連絡調整会を、年3回程度開催しており、こうした場を通じて協議する機会がございます。また、小平市大学連携協議会に朝鮮大学校が加入していない理由でございますが、加入について、連絡調整会の中で協議いたしましたが、見送られたものでございます。
○水口かずえ
5番目、ブルーベリーリーグなんですけれども、これに朝鮮大学校が入っていない、これは理由がよくわからなかったんですけれども、なぜ入らないのでしょうか。
○余語地域振興部長
大学連携協議会の中でですね、昨年度協議を行いまして、現時点では現在の体制で連携を強化してより成果を出していくことが大切だということで、今回見送られたものでございます。
○水口かずえ
それを決めるのは、朝鮮大学校が入るかどうかとかは、どこが決めることになるんでしょうか。
○余語地域振興部長
大学連携協議会で決めるものと考えています。
○水口かずえ
このブルーベリーリーグというのは、行政と大学、あるいは大学間の連携を進める、地域社会の発展と人材の育成を目的とした連携を進めるとなっています。ここに今朝鮮大学校を入れる必要はないというふうな判断がされているということになるんでしょうか。
○余語地域振興部長
大学連携協議会において、繰り返しになりますが、現在の体制でより成果を出していきたいと、そういう意向で、今回参加のほうが見送られたものでございます。
○水口かずえ
朝鮮大学校だけ入っていないというのはおかしいと思いますので、小平市として、ぜひリーダーシップを取って、ちゃんと朝鮮大学校にも入っていただくように動いていただければと思います。
6、文部科学省が昨年3月に公表した「外国人の子供の就学状況等調査結果について」で、外国籍の学齢期の子ども12万3,830人のうち16%にあたる約2万人が就学していない可能性があることが明らかにされました。市内の外国人うち、小・中学校の学齢期の子どもはそれぞれ何名ですか。また、それらの子ども達のうち、市立小・中学校に就学していない子どもたちの数をお教えください。
○小林市長
第6点目、及び 第7点目につきましては、教育委員会から答弁申し上げます。
○古川(こがわ)教育長
第6点目の市内の外国人のうち小中学校の学齢期の子どもの人数でございますが、先月1日現在の住民基本台帳に記載されている人数は、学齢児童が128人、学齢生徒が48人でございます。
また、このうち、市立小中学校に就学していない子どもの人数は、学齢児童が26人、学齢生徒が20人でございます。
7、外国籍の子どもへの日本語指導について、昨年3月定例会では、小学生20人、中学生7人に計9人の講師を週一、二回ずつ派遣しているとの答弁がありましたが、その後、変化があればお教えください。この体制で、日本語指導は十分だと言えるのでしょうか。
○古川(こがわ)教育長
第7点目の、外国籍の子どもへの日本語指導でございますが、市立小中学校に在籍する児童生徒に対しましては、小平市国際交流協会と連携し、母国語が話せる、または日本語指導の経験がある講師を在籍校に派遣し、児童生徒への指導が可能な時間に個別に指導を行っております。派遣は週1回から2回程度、年間を通じて行い、指導を受けている児童生徒の学校での学習や生活への適応をはかっております。
今後、個別の日本語指導を希望する児童生徒が増加した際には、小平市国際交流協会と連携し、講師の確保及び指導内容の充実に努めてまいります。
○水口かずえ
学校での日本語支援です。
今、週に1回、2回派遣されている、これではちょっと少ないのではないかと思いますが、増やす予定はないのでしょうか。
○国冨教育指導担当部長
現時点で特に増やす予定はございません。
○水口かずえ
KIFAのほうに聞いたんですけれども、KIFAでは毎週水曜日4時10分から1時間半、外国人の子どもたちに日本語教室を開いているそうです。今11人の子どもが日本語だけではなくて、学校でやる教科とかも含めて教えて、22人のボランティアがいて、一対一で教えているそうです。ただ、ここをもっと自分も教えてほしいという子どもたちがまだいるんだけれども、その待ちリストというのが5名ぐらいあるんだけれども、KIFAの場所がそんな広くないので受け入れられなくて、それ以上今はちょっと広げられないという状況だそうです。
KIFAとしては、この日本語教室は需要もあるし、もっと広げたいんだけれども、場所が狭い。学校とかと連携して、もうちょっと広げていけたらいいんじゃないかみたいなことも、スタッフの方がおっしゃっていましたが、その辺はいかがでしょうか。
○国冨教育指導担当部長
私自身がKIFAからそういったお話をうかがっているということは、今認識してないんですけれども、そういうことがありましたら、個別の子どもたちの状況に応じては考えるべきものかとは思います。
○水口かずえ
その場合、KIFAの年間の補助金が1,400万円で、そのうち事業に使える部分というのは150万円ぐらいしかないみたいなふうにうかがったんですけれども、KIFAへの財政支援も含めて、もうちょっとKIFAがやることを拡充してもらうということは検討できないのでしょうか。
○篠宮文化スポーツ担当部長
KIFAにつきましては、令和元年度までは、大体1,300万円程度の補助をしておりました。令和2年度からに1,400万台になりまして、今年度、令和3年度につきましても1,429万円を予定をしております。先ほどおっしゃったとおり、事業費は150万円程度となります。
KIFAは今後、法人化も含めて進めていきますので、その辺、今後どういう展開になっていくかというところを見極めていく必要があると考えております。
○水口かずえ
第四次長期総合計画で初めて多文化共生というものにも取り組むということを市としても明言したわけですから、ちゃんとまず担当課をきちんと作り、方針もきちんと定めて、KIFAにやってもらう部分があるんでしたら、その部分はやはり予算もきちんとつけて、本格的に取り組んでいかなければいけないときにもう来ていると思います。外国人の方はどんどん増えていますので、これからちゃんと本腰を入れて対応をしていただくことが必要になっていると思います。よろしくお願いします。
8、昨年7月に政府が公表した「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」では、外国人幼児の幼稚園、保育園等への入園を促進し、就学に円滑につなげるため、幼児教育・保育の無償化について周知することを求めています。市内の外国人のうち3〜5歳の幼児の数と、幼稚園・保育園への入園状況についてお教えください。
○小林市長
第8点目の市内の外国籍の3歳から5歳までの幼児の人数でございますが、本年4月1日現在、おおむね80人でございます。
また、幼稚園・保育園への入園状況でございますが、入園に際して、国籍を要件としていないことから、把握しておりません。
9、国は、幼保無償化の対象外の外国人学校幼児教育類似施設など多様な集団活動事業の利用支援を今年度から始め、自治体からの申請に応じて対象幼児1人あたり月額2万円を保護者に補助できるようになりました。この制度により、朝鮮学校幼稚班の児童も支援対象となり、国立市は令和3年度予算に朝鮮学校幼稚園など幼保無償化対象外の集団活動事業を利用する幼児に年間24万円を補助する3人分72万円の補助金支出を計上しました。立川市にある朝鮮学校の幼稚班には、小平市からも2人が通っています。国立市と同様に、支援していただけないでしょうか。
○小林市長
第9点目の地域における小学校就学前の子どもを対象とした多様な集団活動事業の利用支援の実施でございますが、本年4月に国から要綱が示されましたが、対象者や対象施設などの状況を把握することが困難であるため、現段階では実施は難しいものと考えております。引き続き、他市の状況や、国や東京都の動向を注視してまいります。
10、国立市は、朝鮮人学校及び外国人学校補助金事業も1987年から実施し、朝鮮学校初級部・中級部に通う11人(2019年度)に4万8,000円ずつ補助しています。国立市以外にも、立川市や国分寺市など14市、23区すべてで補助事業を行っています。小平市からも2019年度で15人が朝鮮学校初級部・中級部に通っていますが、補助していない理由をお聞かせください。
○小林市長
第10点目の朝鮮人学校初級部・中級部に通っている児童・生徒の保護者に対する補助を行っていない理由でございますが、朝鮮学校初級部・中級部につきましては、私立学校やその他の外国人学校の児童・生徒の保護者との均衡等の点から補助を行っておりません。
11、総務省の「地域における多文化共生推進プラン(改定版)」では、多文化共生の地域づくりの一環として、外国人住民の人権保障のため、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」に基づき、本邦外出身者に対する不当な差別的言動に関する相談に応じる体制の整備を求めています。小平市には朝鮮大学校があり、外国人に占める朝鮮・韓国籍の方の割合も高く、そのような人権相談窓口を設ける必要性が特に高いと思われますが、いかがでしょうか。
○小林市長
第11点目の人権相談窓口でございますが、市では、市民無料相談の一つとして人権・身の上相談がございます。現在は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け休止しておりますが、代替の相談先として、法務局の電話による相談窓口をご案内しております。
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