(1)花小金井武道館代替施設の確保と、なるべく長く継続利用できるようにすることについて

 

 花小金井武道館は、畳の柔道場と板の間の剣道場、弓道場を備え、武道のみならず卓球やバウンドテニス、 軽体操などにも利用され、昨年度で約30団体、のべ35,800人が利用しました。しかし、目標耐用年数が過ぎ、市は2016年2月に「小平市立花小金井南中学校地域開放型体育館建設及び小平市立花小金井武道館機能移転の基本方針」を発表しました。それによると、2021年4月に供用開始予定の花小金井南中学校地域開放型体育館に花小金井武道館の機能を移し、体育館の供用開始と同時に花小金井武道館は閉鎖し、取り壊す予定です。 

 しかし、市も認めているように、現在の花小金井武道館の機能の全てが花小金井南中学校地域開放型体育館に移行できるわけではなく、懸念する利用者から、今年3月の市議会に「花小金井南中学校地域開放型体育館が完成しても、利用者に配慮してできるだけ長く」花小金井武道館を継続利用させてくださいという請願が出され、採択されました。この状況下での市の対応を伺います。

 

1.花小金井南中学校地域開放型体育館には、住民が利用可能な施設として、柔道場、剣道場、多目的室、アリーナがありますが、学校利用が優先です。現在、花小金井南中学校では柔道の授業がなく、柔道場は年間を通して市民が利用可能とのことですが、その広さは150㎡と、花小金井武道館の柔道場の広さ214.75㎡よりも約30%狭くなります。また、剣道場と多目的室は、剣道の授業が行われる年間2~3カ月の平日は夜間しか利用できません。土曜日も部活動があり、夜間のみの使用です。同様にアリーナも、夜間のみ利用可能です。日曜日も、部活動のため、使えるか使えないかまだはっきりしていません。このような状況だと、現在、花小金井武道館の剣道場を利用している卓球やバウンドテニス、剣道などの団体は、1 年のうち2~3カ月間は平日日中は利用できず、土曜日に加えて日曜日の日中も使えない可能性があることになります。また、同体育館には弓道場がありません。体育館が供用開始されても、それを補完する代替施設の確保は必須と思われます。体育館に移転しきれない機能を移転するための施設確保の検討状況をお教えください。

 

小林正則 市長

水口かずえ議員の一般質問にお答えいたします。

 初めに、花小金井武道館代替施設の確保と、なるべく長く継続利用できるようにすることについての第1点目の施設確保の検討状況でございますが、小平市立花小金井南中学校地域開放型体育館建設及び小平市立花小金井武道館機能移転の基本方針に示しておりますとおり、市民総合体育館のほか、小学校の体育館、公民館や地域センターなど、活動の場の確保について検討しております。

<再質問> 

水口かずえ

 ご答弁ありがとうございます。再質問させていただきます。

 まず1件目1点目です。例えば、剣道やバウンドテニスは、公民館や地域センターではできない、卓球台は地域センターにあるけれども、せいぜい2台で少人数でしかできないなど、個別の団体ごとに事情や要望が異なります。個別の団体ごとにどんな代替施設があり得るかについて提案し、相談に乗るようなことが必要だと思います。そのような団体ごとの丁寧な対応をしていただけるのでしょうか。

 

篠宮 文化スポーツ担当部長兼保険担当部長

 花小金井南中学校地域開放型体育館のほうの移転につきましては、各団体等に対しましては丁寧な対応をしてまいりたいと考えております。

 

2.花小金井武道館の耐震補強工事のため、市は平成28年4月~平成29年8月に文化学園大学を代替施設として借り、 花小金井武道館利用団体のほとんどがそこに移行できました。その後、昨年10月、市は文化学園大学に単発的に借りられないか話もしたが、貸してもらえる状況にならなかったと答弁しています。文化学園大学を貸してもらえない理由は何でしょうか。また、嘉悦大学その他の大学、警察学校、企業などの施設は借りられないのでしょうか。

 

小林正則 市長

 第2点目の文化学園大学が借用できない理由でございますが、花小金井武道館の耐震補強工事に伴う代替施設の確保のため、大学側のご協力のもと、施設を提供していただいた経緯から、工事完了後の借用については無理をお願いできない状況がございますが、継続的に情報交換などを行っております。

 そのほかの大学など民間体育施設の借用でございますが、現在、三菱ビルテクノサービス株式会社の体育館及びテニスコート、東京ガス武蔵野苑のグラウンドを借用している状況でございます。

 今後も、民間施設の借用につきましては、利用時間帯の新設や拡大について引き続き協議してまいります。

 

水口かずえ

 2点目なんですけれども、文化学園大学については継続的に情報交換をしているということで、少しほっといたしました。これからもぜひ前向きに検討いただければと思います。

 基本方針のほうにも民間施設等の借り上げを検討していくと書かれています。文化学園大学を借りていたとき、弓道については食堂を使っていたと聞きました。嘉悦大学もありますし、いろいろな可能性を探って、なるべく代替施設をどこかに確保していただけるようにご努力いただければと思います。

 

3.小平市は、隣の西東京市などと公共施設を相互利用できるよう連携しています。西東京市の体育施設としては、西東京市向台町にある総合体育館や、田無駅から近いスポーツ・文化交流センターきらっとなどがあります。利用料は、西東京市民の団体利用料が総合体育館の第二体育室が3時間で2,100円、きらっとの武道場が3時間で2,500円など、現在の花小金井武道館の使用料と比べて 1 時間あたりの使用料は大きく変わりませんが、市外団体の利用料は西東京市民の2倍になります。小平市内団体の利用料を西東京市内の団体と同じにしてもらえるよう、小平市内の施設を西東京市民も安く使えるようにするなどで、西東京市と交渉することはできないでしょうか。

 

小林 市長

 第3点目の団体利用における西東京市施設の相互利用でございますが、互いの施設の利用実態の把握に加え、双方の市民にとって大きな不利益にならないことや、施設が有効利用でき、相互に補完し合えるなど、一定のメリットがあることが必要なため、相互利用の実現に向けてはさまざまな観点からの検討が必要と考えております。

 なお、国分寺市とは体育施設相互利用協定の締結をしており、国分寺市の市内団体料金と同額で利用できる施設がございます。

 <再質問>

水口かずえ

 また、西東京市との提携など、これは国分寺市とはスポーツ施設に関して提携を結んでいるということなんですけれども、西東京市とも、スポーツに限らず、例えば文化施設、ルネこだいらなど文化施設も加えて、西東京市にとっての利点も訴えて交渉していくようなことはできないのでしょうか。

 

篠宮 文化スポーツ担当部長兼保険担当部長

 国分寺については、昨年度、国分寺市民スポーツセンター等も含めて今連携しているところでございますが、他市との連携につきましては、他市の事情もございますので、その辺を考慮しながら、引き続き周辺市との体育施設、文化施設等の話し合い等は進めてまいりたいと考えてございます。

 

水口かずえ

 ぜひよろしくお願いいたします。

 

4.花小金井武道館よりも数百m北にある小平第十一小学校の校舎が耐用年数を2026年に控え、更新の方向で検討され ています。同校校舎の更新時に、多目的ルームなど体育施設としても使用可能な設備を設け、地域住民が利用できるようにすることはできないでしょうか。

 

小林 市長

 第4点目の小平第十一小学校校舎更新時に体育施設を設け、住民利用ができないかでございますが、小平第十一小学校につきましては、花小金井武道館の代替施設としての検討は行っておりません。

<再質問> 

水口かずえ

 小平第十一小学校なんですけれども、武道館等の供用施設としては考えていないとのご返答でしたが、例えば、小平第十一小学校に、多目的ルームなど、体育施設としても利用可能で、地域の住民も利用できるような施設を設けるようなことは考えられないのでしょうか。

 

齊藤 教育部長

小平第十一小学校の更新につきましては、来年度の段階で方向を決めていくと。その後、どういった形のものを作っていくか等につきましては、その後も検討を進めていくことになります。ですから、複合化という中では、地域に開放していくようなものも、可能性としてはあるのではないかと考えてございます。

 

水口かずえ

 中学校よりも、むしろ部活動とかがない小学校のほうが、地域の住民も利用しやすい施設ができるのではないかと思います。ぜひ、小平第十一小学校のほうに地域の住民も利用できるような体育が可能なような施設を検討していただければと思います。

 小平第十一小学校の更新に関する基本計画策定方針では、これから地域代表者と意見交換をしていくと書かれていますけれども、今後、どのような地域代表者とどんな形で検討をしていかれるのでしょうか。

 

有川 行政経営担当部長

 現段階では、まだどんな形でいつ頃からということは考えておりませんけれども、学校、子どもも含めてでありますが、地域の方々を含めた形での、まだ手法につきましてもこれから検討してまいりますけれども、来年度にかけて、市民参加をしていきたいと考えております。

 

水口かずえ

 その地域住民との話し合いにおいては、地域住民というのを広く捉えて、なるべくいろいろな人が参加できるような形でやっていただければと思います。その地域代表者の方々の意見をなるべく基本計画のほうに反映していけるようにお願いいたします。

 

5.花小金井武道館には、20数台の車を停められる駐車場がありますが、花小金井南中学校の駐車スペースはそれほど広くないと聞きました。同中学校は、花小金井駅から数百m 離れていて、利便性がよくありません。地域開放型体育館の供用に合わせ、花小金井南中学校近くにコミュニティータクシーの停留所を設けるなど検討できないでしょうか。

 

小林市長

 第五点目の花小金井南中学校近くへのコミュニティタクシーの停留所の設置でございますが、花小金井駅に発着しているコミュニティタクシー鈴木町ルートにつきましては、南東部地域コミュニティタクシーを考える会において運行ルートや停留所の設置場所等を検討し、交通管理者との協議や国土交通省の認可を経て運行しております。現在、市民の皆様の生活の足として定着し、利用者数も増加傾向にあることから、運行ルートの見直しは困難であると考えておりますが、停留所設置の件につきましては、コミュニティタクシーを考える会へ伝えてまいります。

<再質問> 

水口かずえ

 コミュニティタクシーのルート変更は難しいというお返事でしたが、花小金井駅から、ルート変更といってもそんなに大きなルート変更にはならないで、花小金井駅から出発して、まずちょっと寄るという感じになるので、ぜひ前向きに検討していただければと思います。

 花小金井南中学校地域開放型体育館が供用されたとしても、駐車場の台数が少ないと、雨の日など、とても使いにくいのではないかと思います。花小金井南中学校は何台ぐらいとめられそうなのでしょうか。

 

篠宮 文化スポーツ担当部長

 現在、学校施設のスポーツ開放という事業を行っておりますが、こちらのほうでは原則的として車での来場を禁止はしているところでございますが、花小金井南中学校地域開放型体育館につきましては、花小金井武道館の機能を一部移転するというところから、駐車場を設置いたします。車の台数といたしましては、日中で駐車台数が6台、自転車駐車場につきましては30台、また、夜間の利用につきましては、花小金井南中学校の北側の部分、校舎の横等にも車がとめられますので、数十台とめられるということになります。日中につきましては6台と、障害者用の1台で6台となっております。

 

水口かずえ

その6台も数十台も、どちらも校内にとめることになるということでよろしいでしょうか。

 

篠宮 文化スポーツ担当部長

 基本的には、この花小金井南地域開放型体育館につきましては、入口等を別にしておりますので、利用者の駐車場という位置付けになっております。学校以外の利用者。

 

議長

 学校敷地かどうか

 

篠宮 文化スポーツ担当部長

 学校敷地です。

 

水口かずえ

 特に利用者が多いと予想される夜間には、数十台の駐車場が確保されるということでよろしいですね。少しほっといたしました。

 

6.今年3月に採択された請願に対して、市はどのように対応しますか。花小金井南中学校地域開放型体育館の供用が開始されても、そこで十分に活動できるかを見極め、移転しきれない利用団体の代替施設が十分に確保されるまで、花小金井武道館は取り壊さずに継続利用できるようにすべきではないでしょうか。

 

小林 市長

 第6点目の武道館の継続利用でございますが、花小金井南中学校地域開放型体育館の供用開始までに活動の場の確保に努めるとともに、学校等との調整を進めることで利用団体の活動の継続が図られると考えております。

 <再質問>

水口かずえ

 ご答弁では、供用開始までに代替施設は確保するものというようなご答弁だったかと思うのですが、供用開始までに代替施設が確保できない場合はどうするのでしょうか。

 

篠宮文化スポーツ担当部長

 現時点では、市といたしましては、代替施設等、弓道場も含めて、努力をしてまいりたいと考えております。

 

水口かずえ

 努力していただくのはもちろんなんですけれども、それでも供用開始までには、では絶対確保できるということなんでしょうか。それとも、確保できない場合は、この請願の趣旨は、利用者の利便性を考えてなるべく長く使用できるようにしてほしいというものですけれども、そのような請願の趣旨も考慮していただけるのでしょうか。

 

篠宮 文化スポーツ担当部長

 代替施設につきましては、花小金井武道館周辺につきましては、三菱電機ビルテクノサービス株式会社の体育館等もございますので、その辺も含めて、私どもも足を使って探したり、交渉等をしてまいりたいと考えております。

 

水口かずえ

 特に弓道場がないということが大きなネックだと思います。弓道場の方々は、今までも一生懸命代替施設の確保を話し合ってきたけれども、なかなかいい答えがいただけず、このままでは時間切れで終わりですと言われるのではないかと心配されています。 その辺の心配にどうお答えできるのでしょうか。

 

篠宮 文化スポーツ担当部長

 弓道場につきましては、弓道連盟の会員の方、一部の方と私どもと毎月会議等を行っております。私どもも、西東京市であったり東久留米市であったりの弓道場も視察をして、どのように使っていけるかというところも お話を伺っております。その中で、西東京市につきましては、かなり利用も高くて団体貸し出しというのは難しいと伺っておりますが、一方で、東久留米市については、平日ほとんどあいているというお話もうかがっております。

 また、周辺市で弓道場が二つあるというところはなかなかなくて、小平市では現時点では二つありますけれども、他市では大体一つか、ないかというところになると思うんですけれども、その中で他市にお願いするというのもなかなか難しいというところもございますし、この弓道につきましては、周辺市以外にも大学等も活用できないかというところも検討もしております。私自身も実際に市内以外の大学についても見て歩いたりもしておりますので、市といたしましては確保に努力して参りますというところでございます。

 

水口かずえ

 文化学園大学でも食堂を利用されたということで、いろいろな可能性はあるかと思います。大学等を含めて努力していただいているということで、代替施設がきちんと確保できできないまま、花小金井武道館が壊れてしまったということにはならないように、ぜひお願いいたします。

 

7.花小金井武道館は、2017年に耐震補強されました。「施設の適正な計画修繕のあり方」(平成22年3月)に従って花小金井武道館の劣化診断を行い、なるべく長く継続利用できるようにしてはどうでしょうか。

 

小林 市長

 第7点目の劣化診断を実施し、継続利用できないかでございますが、平成28年度の耐震補強工事については、施設の長寿命化を目的としているものではなく、花小金井武道館の解体までの間、安全に使用していただくことを目的として実施いたしました。小平市立花小金井南中学校地域開放型体育館建設及び小平市立花小金井武道館機能移転の基本方針に示しておりますとおり、花小金井南中学校地域開放型体育館建設後は、花小金井武道館を閉鎖し、取り壊す予定でございます。

<再質問> 

水口かずえ

 弓道の方 にお聞きすると、小平市は武道館を継続利用はできない。それは安全性が確保できないからだと言われるとお聞きしました。安全性が確保できないから取り壊さなければいけないんだとしたら、それは、具体的にどこがどう安全ではないのか、劣化診断をしなくては具体的には分からないと思います。その辺はいかがでしょうか。

 

篠宮 文化スポーツ担当部長

 花小金井武道館につきましては、 平成26年に目標耐用年数を迎えております。現在そこから5年程度は経っております。その中で、これまで武道館につきましては大規模な修繕等は行ってきていないところでございますので、さまざまなところが老朽化しているという現状がございます。その中で安心・安全、また快適に利用していただくためには、現状、今は難しい と考えております。

 

水口かずえ

 花小金井武道館を花小金井南中学校地域開放型体育館供用開始と同時に壊さなくてはいけない理由というのはあるんでしょうか。

 

篠宮 文化スポーツ担当部長

 花小金井南中学校体育館ができて、花小金井武道館ということになりますと、二重に体育施設を持っていることとなりますので、現状、武道館につきましても1,100万程度の費用がかかってございますので、二重に費用が必要となることが考えられます。また、備品についても二つ準備していかなくてはならないというところをを考えますと、ちょっと難しいと考えております。 

 

水口かずえ

 備品については、例えば卓球台1台8万円で、今8台使っていて、64万円程度の費用かと思います。また管理運営費が1,100万円とおっしゃいましたが、そのうち利用料の収入が380万円ぐらいあるので、市の持ち出しとしては750万円程度かと思います。スポーツを健康に楽しむことで市民の健康維持に、特に年配の方のご利用が多いと伺っております、市民の健康維持にとても役立っている施設だと思います。年間751万円と、このスポーツが出来なくなることによる医療費の増加などを考えれば、750万円は決して高くないのではないかと思います。

 安全性の面も、ただ安全ではないと言われても納得できない面もあります。ぜひ3月に採択された請願の意図を酌んで、花小金井南中学校地域共用体育館が完成した後も、花小金井武道館は、代替施設の確保がきちんとでき、利用団体の皆さんが納得できるまできちんと継続利用ができるように、ぜひお願いしたいと思います。

 公共施設マネジメントというのは、ただ公共施設の量やコストを減らすことだけが目的ではなく、その基本方針には、「いつまでもわくわくする場をみんなでつくろう」と書かれ、魅力あるサービスの実現や長く活用できる施設も方針に掲げています。このような基本方針に戻り、市民からの要望を受けて採択された請願の趣旨を重んじ、弓道場も含め、利用者が納得できる機能移転がきちんとできるまで花小金井武道館を継続利用させていただきますよう強く要望いたします。