(2)公園、緑地をつくらない回田町での宅地開発への市の対応について 

 

 昨日の橋本議員ときせ議員の質問と重なる部分もありますが、ご了承ください。また、質問通告書を多少訂正した部分があります。訂正した内容で読み上げます。

 現在、宅地開発が進められている回田町218番地,219番地,228番地,229番地は、2016年に売りに出された農地7,949㎡をA建設株式会社とその関連会社と思われるB、Cの2社が3分割して購入し、①、②、③(図を掲示)の順に宅地開発されています。 小平市開発事業における手続及び基準等に関する条例(以下、条例という)は、事業面積が3,000㎡以上の開発行為は、事業面積の6%を公園、緑地等として整備するよう求めています。しかし、今回の開発では、①~③の合計は 7,949 ㎡ですが、2,859㎡、2,840㎡、2,250㎡の3つに分けて購入し、順番に開発したため、規制対象外とされ、公園・緑地が整備されていません。2017年に①、2018年に②の部分の開発が終わり、現在、③の部分の開発が始まっています。 

 周辺住民は、当初からこの開発のあり方に疑念をもち、公園、緑地の設置を求めてきました。今年6月には回田町219番地他開発地に係る要望書が市に提出されました。 

 市は、このように分割しての一体の開発を抑止するため、条例で、隣接した土地において関連性が認められる事業主が、1年以内に二つ以上の事業を行うときは、これらの事業を一つの開発事業とみなす規定を定めています。 今回、隣接する①と②の開発は、①の開発終了後の1年以内に、①の開発を行ったA建設株式会社と関連性があると思われるB開発株式会社が行っており、上記規定に従って①と②は一つの開発事業とみなし、①と②の合計 5,699㎡の6%である341.9㎡を公園等として整備すべきだったと考えられます。市はなぜそのように指導しなかったのか、疑問です。 

 

1.平成30年版東商信用録によると、A建設株式会社の役員2名が、B開発株式会社の株式を50%保有しており、A建設株式会社の仕入先として B開発株式会社が記載され、A建設株式会社の第二社屋の住所がB開発株式会社の住所と同じです。条例施行規則第17条の規定により、B開発株式会社はA建設株式会社の関連会社といえるのではないでしょうか。 

 

小林 市長

 公園、緑地をつくらない回田町での宅地開発への市の対応についてのご質問にお答えいたします。

 第1点目のA建設株式会社とB開発株式会社の関連でございますが、A建設株式会社の開発事業につきましては、事業における事前相談から工事完了までの一連の手続きが、改正前の小平市開発事業における手続及び基準等に関する条例が適用されております。市との協議の完了時期によっては、改正後の条例が適用されますことから、B開発株式会社との関連性についても確認を行っております。

 2社の関連性につきましては、条例施行規則に基づき、それぞれが親会社、子会社、関連会社の関係等にあるかを、2社それぞれのホームページ、事業主への聞き取り、法人の履歴事項全部証明書による役員の重複等により確認したところ、関連性はございませんでした。

 また、A建設株式会社から提出された申立書の内容でも関連性がないことを確認いたしております。

 

2.B開発株式会社がA建設株式会社の関連会社であるとしたら、①と②の開発は条例第15条第2項に規定する一の開発事業にあたるのではないでしょうか。 

 

小林 市長

 第2点目の一の開発事業に当たるかでございますが、A建設株式会社の開発事業が改正前の条例に基づき完了しており、改正後に追加された規定にある関連性を適用しないこととしていることから一の開発事業には当たらないものと考えております。

 

3.①と②が一の開発事業に当たる場合、①と②の合計面積の6%を公園等にすべきだったのではないでしょうか。

 

小林市長

 第三点目の合計面積の6%の公園等の設置でございますが、2社の開発事業がそれぞれ3000㎡未満であることから、都市計画法及び条例に基づき事業主が公園等を設置する義務はございません。

 

4.この開発当初、2016年8月の大規模土地取引行為届出書の提出を受けて市が作成した書類、大規模土地取引行為の届出についてで、市は、大規模土地取引行為届出書を提出させた理由に「今後の土地利用については、一体的な開発事業となる可能性もあるため、 土地の各譲受人に対して条例の趣旨に基づいた指導を行っていくことが必要となる」と記載し、取り扱いについて、土地の 「各譲受人に対しては、今後の土地利用について、一体的な計画となるよう指導を行っていく」と記載しています。そして、同年 9 月に行われた事前審査で、公園の設置について事業主と協議することになりました。しかし、約1ヶ月後の10月に行われた 窓口協議で、市は、「今回の事業計画は、3,000㎡未満のため公園は設置しません」という事業主の希望に合意しています。 市は、なぜ当初の指導方針を変更し、一体的な開発事業の可能性を踏まえて公園を設置させることを放棄したのでしょうか。

 

小林 市長

 第4点目の指導方針の変更と公園設置の放棄でございますが、大規模土地取引行為の届け出に対する市の取り扱いにつきましては、周辺の住環境に配慮したまちづくりを行うことを示しております。土地取引を行う譲渡人や譲受人に対し、良好なまちづくりへの協力をお願いするものであり、具体的な開発事業に係る事業計画についての指導を行うものではないことから、市といたしましては、方針の変更や公園の設置を放棄したという認識はございません。

 公園設置の協議を行った理由といたしましては、三つに分割された土地全体で開発事業が行われた場合、大規模開発事業と同等の宅地ができる可能性があったことから、事業主に協力をお願いいたしました。その後、事業主から3000㎡未満での開発事業であることを理由に公園を設置しないとの回答がありましたので、法令等に適合した事業について、市が法令を超えた制限や行政指導等を行うことは困難であると判断したものでございます。

 

5.「関連性が認められる事業主」であるかどうかを判断する基準として条例施行規則第17条に規定されている「それぞれが 親会社等、子会社等又は関連会社等の関係にある事業主」であるかどうかを市は何に基づいて判断するのでしょうか。 

 

小林 市長

 第5点目の関連性のある事業主の市の判断基準でございますが、条例施行規則第17条に基づいて、第1点目の答弁と同様に関連性について判断しております。

 

6.周辺住民は、今からでも少しでもいいので公園、緑地を設置してほしいと望んでいます。A建設株式会社の関連会社と思われる C建設株式会社から③の部分を購入し、開発し始めたD社は、市や他業者が土地の一部を買い取って公園をつくるのは構わないとの姿勢です。③の一部を A、B,C社に買い取らせる、もしくは市が買い取って公園や緑地とすることはできないのでしょうか。

 

小林市長

第6点目の買い取って公園や緑地とすることができないかでございますが、当該用地は都市計画決定された公園区域や特別緑地保全地区ではないことから、取得は難しいものと考えております。

 

7.今回のようなケースの再発を防ぐには、条例の改正強化が必要です。国分寺市まちづくり条例は、隣接した土地で関連する事業者が、先行する開発事業の完了日の翌日から、1年ではなく、2年以内に開発事業を行うとき,これらは一の開発事業とみなすと規定しています。また、規則では、相互に関連性を有する事業者の判断基準として、「それぞれの本店又は支店のいずれかの所在地が同一」及び「それぞれの開発事業に関する代理人又は設計者のいずれかが同一であり、かつ、それぞれの開発事業を一体として行っていると市長が認めるとき」という規定を設けています。今回の①と②の開発では、このどちらも当てはまります。小平市の条例や施行規則にも、これらの規定を加えるべきではないでしょうか。また、今回、A建設株式会社ら3社は、 市との窓口協議の直前に役員を入れ替えました。小平市の条例施行規則第17条第3号「それぞれの役員の全部又は一部が 重複」という規定の冒頭に、「過去1年間において」という趣旨の文言を加えるといいと思いますが、いかがでしょうか。 

 (資料写真を見せながら)これが、問題の回田町の開発地の状況です。上が開発前の写真で、下が今①と②の開発が終わったところの写真です。住民の方々は、少しでもいいので緑地、公園を残して設置して欲しいと要望しています。

 以上、自席に戻り、再質問させていただきます。

 

小林 市長

 第7点目の条例や規則の改正でございますが、開発事業におきましては、最終的に東京都が許可を行い、施工されることから、都市計画法に基づく東京都の考え方が基本となります。また、都市計画法を超える規制の強化につきましては、すでに条例により実施しており、現在以上の強化を行うことについては、土地所有者や事業主の経済活動を制約するおそれもあることから、慎重に検討していく必要があると考えております。市といたしましては、東京都の考え方や他市の状況を参考に、今後もよりよいまちづくりに取り組んでまいります。

<再質問>

水口かずえ

 まず一点目です。関連性があるかどうかの判断基準として、条例規則第17条では親会社等、子会社等又は関連会社等の関係にあるかどうかを上げています。親会社等、子会社等又は関連会社等の関係にあるかどうかは、株主を確認しないとわかりませんが、株主の確認はしたのでしょうか。

 

村田 都市開発部長

 今回のケースでございますけども、市としては株主のことについては確認はしてございません。

 

水口かずえ

 株主の確認をしなければ、関連性がないとは言い切れないと思います。現在、市は、住民との話し合いを受け、A建設株式会社に株主が誰かを聞いています。しかし、一ヶ月経ってもまだ返事がないと聞きました。A社、B社の株主はきちんと確認し、その確認の結果は住民にご報告いただけますでしょうか。

 

村田 都市開発部長

 まず、基本的に、株のことでございますけども、非上場企業など、株式の保有割合を公にしていないという会社も数多くあります。決算書や財務書類というのは法人の個人情報ともいえる情報でございますので、市としてはその提出を義務づけるということまでは行ってございません。ただ、会社側から任意での提出があった場合については受け付けているところではございます。そのかわり、市としては、その法人名で提出された申立書に間違いはないということを記載させていただいて、十分そちらを信用して判断したということでございまして、今現在も、議員がおっしゃるとおり、そちらのほうについては一応確認の依頼は行っているところでございますので、そちらで出てきたものにつきましてはお知らせしていきたいとは考えてございます。

 

水口かずえ

 株主の確認はきちんとして、その報告はしていただけますようお願いいたします。

 今回、A社がA社とB社は関連がないという申立書を提出し、市はそれを信じて関連性はないと判断したとのことですが、もしその申立書が虚偽であったらどうなるのでしょうか 。

 

村田 都市開発部長

 市といたしましては、そちらのほうを確認してその申立書を提出させていただきまして、基本的には社印とかも押されておりまして、信ずるに足る資料として判断したわけでございますけれども、そちらのほうの中身が虚偽ということであれば、それはそれで対応していきたいと考えてございます。

 

水口かずえ

 それはそれで対応というのはどういう対応になるんでしょうか。

 

村田 都市開発部長

 出てきた段階でそちらのほうの資料について確認はさせていただきますけれども、基本的には、最初の段階で何をもって虚偽ということもございますので、そちらが出てきた段階で、市として、繰り返しになりますが、対応を検討していきたいと思っています。 

 

水口かずえ

 確認とご報告を、それなりの対応をぜひお願いいたします。

 これまでの住民との話し合いで、市は、改正前の条例では、隣り合う土地で関連ある事業者が1年以内に開発を行ったとしても、一つの開発とみなすことはできないできないとおっしゃっています。しかし、この古い条例のほうも第14条第2項で隣接した土地において、同時に又は引き続いて行う開発事業であって、全体として一体的な土地の利用を行う場合は、これらの開発事業は一の開発事業とみなす。ただし、先行する開発事業とこれに引き続く開発事業の間に事業主の関連性が認められないものについてはこの限りではないと書いています。この条文を文字通りに読めば、古い条例においても、関連性がある事業主が引き続いて行った開発事業は一の開発事業とみなすと思われますが、この条文を文字どおりに適用していなかったということでしょうか 。

 

村田 都市開発部長

 基本的に旧条例ではですね、新条例と考え方は同じでございます。旧条例においても新条例においても、開発行為と開発行為の場合は、あくまで許可権者である東京都がそれぞれの別の事業の区域として決めるため、市の条例では一の開発事業とはしていないところでございます。

 旧条例における一の開発事業の考え方は、開発行為と開発行為、これは市が事業区域を変えられないということから、これ以外の建築行為と建築、それと開発行為と建築行為、こういった場合に、一団の土地または隣接した土地で、同時にまたは引き続いて同一の事業主または関連性がある事業主が全体として一体的な土地に行う場合は、一の開発行為とみなすものとしておりました。しかしながら、その事例に合ったものというものは、現在まだ出てきてはございません。

 そういう形でみなしてはおりませんでしたけれども、この関連性のある事業主や引き続いて行う期間については具体的な定義づけがなされておらず、明確ではなかったということから、今回、新条例のほうでその規定を追加したというようなことでございます。

 

水口かずえ

 ちょっとわかりにくいんですけれども、A社の開発は旧条例で行われたということをおっしゃっていますが、新しい条例はA社が①の開発のための事前相談書を提出する一ヶ月前に公布され、A社の工事着手届が提出される12日前に施行されました。新条例の公布と施行を見込んで、新条例の趣旨に基づいた指導をすべきだったのではないでしょうか。

 

村田 都市開発部長

 A社が出てきた段階では3000㎡未満の土地の開発行為でございましたので、その手続きに基づいて3000㎡未満の開発行為の協議はさせていただきましたけれども、事前にA社、B社の所有はわかっておりましたので、そこは注意というか、今後も公園等はとってほしいというような要望はさせていただいたところでございます。

 

水口かずえ

 今回の開発において、市は、事業主の関連性を見るために株主の確認はしなかったようですが、今後、条例の規則に従って、親会社等、子会社等、関連会社等の関係にあるかどうかを判断するには、株主の確認は必ず必要になります。今後の指導においては、事業者の株主の確認はしていただけるのでしょうか。

 

村田 都市開発部長

 株主の確認でございますけれども、条例では、会社間の関連性について条例施行規則第17条で定義づけておりまして、基本的に、関連会社については会社相互の財務だとか事業方針の決定について重要な影響を与える関係についてということで示しておりまして、株の状況だとかそういったものが会社法や会社計算規則に該当してくるものを逐一判断するというのはなかなか難しいということもございますので、基本的には、市長答弁でもあったとおり、申立書を出していただいて、それで判断していきたいと考えているところでございます。

 

水口かずえ

 その当事者が出す申立書で確認というのでは不十分だと思います。条例の規則において、親会社等、子会社等、関連会社等にあるかどうかが関連性を見る判断基準として記載されている以上、そこを確認する必要はあると思います。そこを確認するには、親会社等、子会社等であるかどうかは株主を確認しなければわからないことですので、今後の指導においてそこは必ず確認すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 

村田 都市開発部長

 まず、株の状況を公開しているところとやはり公開していないという会社もございますので、一概には言えませんけれども、なかなかそこら辺の関係もございまして、これは難しいところはございます。一概には言えませんけれども、企業概要だとか財務諸表等が確認できる有価証券報告書が上げられますけれども、そういったものは上場されていればホームページ等で確認はとれますけれども、それをなかなか公開されていないということもございまして、事業所に求めてもなかなか公開してもらえない場合もございますので、そこはなかなか判断に窮するところはございますので、あくまでも市としては、申立書の中でそちらのほうを確認していきたいと考えているところでございます。

 

水口かずえ

 今回、住民の方が東商信用録というものを見たら、A建設株式会社及びB開発株式会社の株主が記載されていました。そのような手段でも確認はできますし、開発を行おうとする事業者ですから、そこに対して市が、株主は誰なんですかと聞いて答えるというのは、事業主として当然の、開発をして許可を得たいんだから、そこを確認させてくださいというのは別に大変なことではないというか、当然のことではないかと思います。今後、開発許可申請が出た場合、株式の確認は必ずしていただければと思いますが、いかがでしょうか。

 

村田 都市開発部長

 確認といたしまして、申立書を基本的に運用として出していただいているところでございますが、なかなかいろいろ誤解だとか、そういったことを招くということもございますので、今後、申立書の内容の記載状況だとか、そういったことについて少し研究させていただきたいと思っております。

 

水口かずえ

 現在、周辺の住民は全体で8000㎡近い開発地に、小さくてもいいから休める木陰や子どもたちが遊べる場所を確保してほしいと要望しています。この住民の声になんらかの形で答えることはできないのでしょうか。

 

村田 都市開発部長

 今現在の段階で、市長答弁を繰り返しますけども、市として公園を獲得するということはなかなか難しいところでございますけども、今、住民の方と、新たな一番最後の事業者の方と市で意見交換の場を持たせてさせていただいて、いろいろ話し合いをさせていただいております。市からも、事業者にはなるべく多くの緑地を取っていただきたいということは、ちょっと言わせていただいておりますけれども、事業者のほうは採算性の判断だとか、そういうこともございますので、そちらの緑地がどうやってとれるかというのは、引き続きお願いはしていきたいと思っております。

 

水口かずえ

 今回、すごく広い敷地の中に、①と②の部分は全く緑がない状態で開発がされています。是非住民の声を聞いて、なるべく緑を確保できるように、市としても何らかの手段を考えていただきますようお願いいたします。

 最後に、条例の改正のところですけれども、今回のケースでは B社の本社とA社の支店が同じ住所、 A社とB社の開発の設計者も同じでした。もし、この開発が国分寺市で行われていたなら、明らかに一つの開発と判断され、公園はつくられていたことになります。今回、この回田町の開発の問題については、4名もの議員が質問をしています。また、今後、2022年には生産緑地の指定が解除され、農地の宅地化が一度に進むことも懸念されています。平成28年の市政に関する世論調査でも、小平に住み続けたい理由として最も多い60.1%の市民が自然環境がよいことをあげています。市民の声に応え、小平市の緑を少しでも多く確保するために、この国分寺市のような形での条例の改正は、是非前向きに検討していただければと思いますが、いかがでしょうか 。

 

村田 都市開発部長

 国分寺市の条例でございますけれど、昨日も答弁させていただきましたけれども、国分寺市は独自で条例をつくってございますので、国分寺の条例のことを特に評価だとかということは、これはございませんけれども、条例改正のほうにつきましては慎重に検討していくものだとは思ってございますので、今後、都の見解や他市の状況等を参考に研究させていただきたいと思っております。

 

水口かずえ

 是非前向きにご検討お願いいたします。

 今回は関連会社であった可能性がかなり高いと思います。A社が出した関連会社ではないという申立書が虚偽だった可能性も高いと思います。虚偽だった場合、そこをきちんと確認していただいき、虚偽だった場合はそれなりの対応をしていただけるということで、ぜひよろしくお願いいたします。

 今回はこれで終わらせていただきます。ありがとうございます。