小平市議会定例会一般質問通告書

 

質問件名   小平市でも外遊びの推進を

 

質問要旨

 空地や自然空間、あそび仲間の減少、交通量の増加や大人の見守りの希薄化など生活環 境の変化で、子どもの外遊びが減っています。シチズンホールディングス㈱が2016年6月に公表した「子どもの時間感覚35年の推移」によると、小学校高学年の子ども達が外で遊ぶ平均時間は、1981年の2 時間11分から2016年は1時間12分へと59分減少しました。コロナ禍で外遊びの時間は更に減っており、近視予防フォーラムの調査では、子どもが1日に外で遊ぶ平均時間は、2019年の61.1分から2020年6月には35.4分と42%減少しています。外遊びで、子どもは外気温の変化に触れ、遊んで汗をかくことで、体温の調節などの自律神経機能や体力が向上し、ストレスや不安を解消し、遊びを通した友達との関わりや人との出会いで、社会適応能力も高まります。政府は今年7月7日に「こども政策の推進に係る作業部会」を開催し、こども庁創設に向けて動き出しました。それに先立ち自民党の国会議員グループが出したこども庁創設に向けた第二次提言では、外遊びのできる環境・体制の整備も課題として上げられています。

 

1. ユニセフのイノチェンティ研究所が、昨年刊行した「レポートカード16 子どもたちに影響する世 界:先進国の子どもの幸福度を形作るものは何か」で、日本の子どもの精神的幸福度は、自殺 率の高さや生活満足度の低さのため38か国中37位でした。同レポートでは、子どもが外で遊ぶ頻度と幸福感には関連があり、毎日外で遊ぶ子の方がほとんど遊ばない子より幸福感が高いことが示されました。子どもの幸福度と外遊びについて、市の見解をお聞かせください。

 

2. 子どもの視力低下が進んでおり、文部科学省の学校保健統計調査で裸眼視力1.0未満の子の 割合を2004(平成16)年度と2020(令和2)年度で比較すると、5歳児で20.78%から27.9%へ、小学生で25.55%から37.52%へ、中学生で47.68%から58.29%へと増加しています。近視予防フォーラムの坪田一男慶応義塾大学名誉教授は、外で過ごす時間が減ったことが、近視急増の最大の原因との研究があることを紹介し、同教授が代表を務める近視研究会は、学童の近視進行予防のために、1日に2時間は外で遊ぶことなどを推奨しています。小平市では、子どもの近視予防のために何か対策はしていますか。

 

3. 千代田区が2013(平成25)年に制定した「子どもの遊び場に関する基本条例」は、区や区民が 子どもが外でのびのびと遊ぶことができる環境づくりに協力することを目的とし、遊び場と、運営 を行う人材の確保等を定めています。同区は、この条例に基づき、区内の公園や廃校となった小中学校グランド9か所を使って、平日の午後や土日に、プレーリーダーとボール遊びができる場所や時間を設けています。小平市でも、ボール遊びができる公園等で、同様の事業を行ってはいかがでしょうか。

 

4. 保育所保育指針には、子どもが自然に触れることや、自然のなかでのびのびと遊ぶことが保育 の内容として含まれています。また、文部科学省の幼児期運動指針は、外遊びの時間が多い幼児ほど体力が高い傾向にあるとし、幼児が体を動かす時間として「毎日、合計60分以上」を目安としました。一方、放課後児童クラブ運営指針は、子どもの遊びを豊かにするため、屋外遊びを行う場所を確保することを求めています。新潟県三条市は、保育所等で幼児が運動遊びをする時間の目安や遊び方を紹介する「三条版運動遊びプログラム」を2017(平成29)年に公表しました。市は、保育所や幼稚園、児童館、学童クラブ等の子ども向け施設での外遊びの実態を把握していますか。それら施設での外遊びの現状と増やすための施策をお教えください。

 

5. 世田谷区の「子ども計画(第2期)」(平成27~令和6年度)は、子どもの生きる力を育むため、外遊びを推奨し、全ての子どもが身近な場所で外遊びができる環境を整備することを施策に掲げ、外遊び検討委員会を設けて外遊びを推進するための課題や体制について報告書をまとめ、取り組んでいます。小平市子ども・若者計画にも外遊びの推進を盛り込んではどうでしょうか。

 

6. 世田谷区は「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに、どろんこ遊び、木登り、工作、たき火な ど、他所ではできないような遊びを自然の中で自由にできるプレーパークの国内発祥の地で、 1979(昭和54)年に区と住民の協働事業として始まった羽根木プレーパークをはじめ、現在4つ のプレーパークがあります。市長は87の政策に、子どもの自由な遊びを保障するためプレーパークにプレーリーダーを配置することを掲げましたが、プレーパークの推進に対する市長のお考えをお聞かせください。

 

7. 世田谷区は、外遊び推進の一環として、スタッフが遊び道具をリヤカーや車に積み、公園で乳幼 児親子や小学生の遊びを支援する「プレーリヤカー、プレーカー」事業を17か所の公園で月1,2 回ずつ実施しています。国分寺市も同様に、市内10か所の公園をプレイリーダーが週1回ずつ訪れ、午前中は乳幼児親子、午後は小学生と一緒に遊ぶ「青空ひろば」を2017年から実施しています。小平市でも同様の取り組みをしてはどうでしょうか。

 

8. 川崎市は、2000(平成12)年に成立した川崎市子どもの権利に関する条例を具体化するための 施設として2003年に川崎市子ども夢パークをオープンしました。9871㎡の敷地に、プレーパーク やスタジオ、交流スペース、フリースペースなどが設置され、月1回のお休みを除き毎日朝9時か ら夜9時まで開いています。子どもの遊びや活動を保障するため、子どもの権利条例は重要な役割を果たします。子どもの権利条例に対する市長のお考えをお聞かせください。

 

上記のとおり、小平市議会会議規則第57条第2項により通告します。

 

令和3年8月30日 小平市議会議長 殿

小平市議会議員 氏名 水口 かずえ  


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質問件名 新型コロナウイルス感染症に対応するため市として最大限にできることを求めて

 

質問要旨

 新型コロナウイルス感染症拡大の第5波を受け、小平市でも感染者が急増しており、8月25日時点で、入院中82人、宿泊療養4人、自宅療養285人、調整中35人の総計406人が療養中です。特に自宅療養や調整中の方は、いつ急速に悪化するかもわからない不安を抱えて過ごしていることと思います。保健所も医療機関も逼迫するなか、小平市として最大限できることを探りたく、以下質問します。

 

1. 自宅療養者または濃厚接触者となった市民への食料などの配布について

(1)累計の利用者数をお教えください。小金井市では、紙おむつや生理用品も配布しています が、配布物等について、利用者から何か意見は届いていますか。

(2)小金井市や国立市では、パルスオキシメーターの貸し出しもしていますが、小平市でも貸し 出すことはできないでしょうか。

(3)濃厚接触者の場合、一人暮らしの方と、世帯全員が濃厚接触者となった世帯が配布対象で すが、保護者が濃厚接触者となったひとり親世帯も、配布対象としていただけないでしょうか。

 

2. 自宅療養者への医療提供について

(1)国立市は新型コロナウイルス感染症自宅療養支援室を設置し、自宅療養者や濃厚接触者を対象に、電話、タブレットを使ったオンライン相談や、保健所との連絡調整、国立市医師会協力機関による診療の調整、訪問看護ステーション・薬局との連絡調整等を土日・祝日も含む午前 9時~午後5時に対応しています。武蔵野市も新型コロナウイルス感染症自宅療養者支援窓口 (電話相談)を設け、自宅療養中または入院・療養等調整中で在宅の方を対象に、心配事など の相談を平日午前9時~午後5時に受け付け、土日祝日で急を要する場合は、宿直室で電話を 受けて折り返し担当者から連絡する、としています。自宅療養者等にとって、このような相談窓 口があると安心感が増すと思いますが、小平市でも設置できないでしょうか。

(2)厚生労働省のホームページで「新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライ ン診療について」対応している医療機関のリストを見ると、小平市内の医療機関も9機関が掲載されています。市の窓口でこれらの医療機関を紹介することはできますか。自宅療養者向け医療の提供に関して、小平市医師会との連携は何かありますか。

(3)小平市には、訪問診療が可能な医師はどれくらいいますか。また、訪問看護ステーションは いくつありますか。自宅療養者向けに、それらは活用されているでしょうか。

(4)狭山市は、自宅療養者向けに酸素濃縮器を確保し、保健所と医師の調整で使用するとして います。小平市でも酸素濃縮器を確保し、医師と連携して必要な人に貸し出すことはできないで しょうか。

(5)東京都市長会は、仮設を含めた宿泊療養施設の更なる拡充や、都施設を活用した臨時の医療提供施設の開設を速やかに行うことなどを求める要望書を8月18日に都知事に提出しまし た。さらに、北多摩南部医療圏の六市の市長は、同圏内に臨時の医療提供施設として可及的速 やかに開設可能な施設(酸素ステーションなど)を迅速に設置することを求める要望書を8月26 日に都知事あてに提出しました。要望書では、施設設置にあたり、東京都の運営を円滑に進展 させるため、可能な協力体制の確立および各市における医師会等関係機関に対する支援要請 に取り組む、としています。小平市を含む北多摩北部医療圏内5市(小平市、東村山市、清瀬 市、東久留米市、西東京市)でも同様の要望書を東京都に提出してはいかがでしょうか。また、 市として酸素ステーションのような施設を設置することはできないのでしょうか。

 

3. 市内幼稚園で新型コロナウイルス感染症が発生し、濃厚接触者に指定された園児がPCR検査を受けようとしたが、保健所からの指示がなく、検査機関を見付けるのが大変だったと聞きまし た。多摩小平保健所に確認したところ、濃厚接触者の検査については、本人から希望があった場合は、医療機関を紹介するが、幼児については、状況によって検査の適不適等があるため、かかりつけ医への相談を勧めているとのことでした。幼児向けを含め、PCR検査ができる機関について、市が情報提供することはできないでしょうか。

 

4. 小平市では、同居する家族が濃厚接触者となった場合、児童は可能な限り登園、登校させない ように求めていますが、保健所では、濃厚接触者の家族については特に行動の制限はないと指導しているそうです。保健所に、基礎自治体の方針にも配慮して指導するよう求めてはいかがでしょうか。

 

5. 子どもや同居する家族等が濃厚接触者として特定されて登園を控えた場合や、感染症の拡大防止の観点から、家庭で保育が可能なときに登園しなかった場合、保育料の減免はありますか。

 

上記のとおり、小平市議会会議規則第57条第2項により通告します。

令和3年8月30日 小平市議会議長 殿

小平市議会議員 氏名 水口 かずえ 


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