質問件名 玉川上水風致地区の規制の在り方を問う
質問要旨
玉川上水の両岸は、都市計画法で風致地区に定められ、建築物の建築は高さ15m以下、建ぺい率は40%、木竹の伐採には市の許可がいる、などの規制がされています。上水本町で玉川上水に面した料亭のいろりの里が閉店し、その跡地3321.7㎡に地上5階59戸の共同住宅が建設されることになりました。風致地区としての開発規制は十分に機能したといえるのか、以下お聞きします。
- 玉川上水風致地区は、商大橋の東あたりで幅が大きく変わっている理由をお教えください。
- 風致地区は、規制が厳しい順にA~D地域に分かれていますが、それぞれの定義と、玉川上水風致地区でのそれぞれの割合をお教えください。
- 小平市開発事業における手続及び基準等に関する条例とその規則で、事業主は、周辺住民への周知等が義務付けられていますが、周辺の定義は、中高層建築物の境界線から50mです。風致地区ではその範囲を広げることはできないでしょうか。また、いろりの里の跡地の周辺住民から意見書の提出や調整会の開催請求はありましたか。
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いろりの里の跡地は、風致地区内に直径6~81㎝、高さ5~22mの高木45本、3~5mの中木87本、3m以下の低木39本、風致地区外に高木6本、中木5本、低木2本の合計184本の木が生えていましたが、全て伐採され、代わりにヤマモミジ12本(緑地36㎡に相当とされる)が植えられることになりました。風致地区の審査基準には、支障木の伐採は必要最小限に止め、現存する植生はできるだけ残存させてください、大径の高木はできるだけ残存させてください、と書かれています。既存樹木を少しでも残すことはできなかったのでしょうか。
- 小平市開発事業における手続き及び基準等に関する条例では、事業面積3000㎡以上の建築行為では、面積の6%の公園等を整備して市に寄付するか、10%の自主管理の公園等を整備することが義務付けられています。風致地区での緑地の整備基準との関係をお教えください。
- いろりの里の跡地は第1種中高層住居専用地域で建ぺい率60%となっています。敷地の一部が風致地区である場合の建ぺい率の捉え方についてご説明ください。
- 小平市第三次みどりの基本計画進捗状況報告(令和5年度実績)では、風致地区の保全とあり方の検討について、「条例に基づいた許可基準を適正に運用し、風致の維持・保全をした。今後は、現在残されている風致を維持し、周辺環境に与える影響を最小限にとどめることを基本とし」と書かれています。いろりの里の跡地で、この基本は守られているのでしょうか。
質問件名 みどりの保全を重視するまちづくりを進めよう
質問要旨
令和3年に実施した第20回小平市政に関する世論調査で、小平に住み続けたい理由として最も多い60.9%の市民が上げたのが「自然環境がよい」です。令和2年7月に東京都と特別区・市町村が合同で改定した「緑確保の総合的な方針」は、既存の緑をまちづくりの観点から保全し、都市計画を基本としたまちづくりの取組の方向性を明らかにし、計画的に東京の緑を確保していくことを目的としています。2017年に改定された小平市の現行の都市計画マスタープランの当面の目標年次である2026年が迫る現在、緑の保全をもっと重視するまちづくりへの転換を求め、以下質問します。
1、樹林地の保全のためにできること
- 令和5年度決算特別委員会参考資料集によると、平成30年度から令和5年度にかけて、小平市の保存樹林の数は18から15へ、面積は43,357㎡から33,955㎡へと9,402㎡減少しました。減少の原因と、減らさないための施策は。
- 小平市第三次みどりの基本計画では、みどりに親しむ取組として、市民による森のカルテづくりや、みどりのマップの作成を掲げています。これらの進捗状況をお教えください。
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日野市は、「緑地信託等に関する条例」で、緑地所有者と契約し、固定資産税や都市計画税を減免して緑地の管理は市が行い、所有者が緑地の譲渡を計画した場合は、予定価格や譲渡先を市に届け出、市は「先買い権」をもつとしています。武蔵野市や東村山市、清瀬市なども、申出に応じて緑地保護地域の買入れを判断するとしています。小平市でも、保存樹林の所有者と、日野市のような関係を結ぶことはできないでしょうか。
- 特別緑地保全地区の指定の検討状況をお教えください。また昨年、玉川上水と水車通りに隣接する保存樹林の一部が地権者から寄付されましたが、残りの部分を買い取って特別緑地保全地区にできないでしょうか。
2.農地の保全のためにできること
- 昨年12月定例会で採択された請願「都市農地を守るために、国への意見書の提出とできる取組の検討を求めることについて」の請願事項2「小平市は、東京都の生産緑地買取・活用支援事業等を活用して農地を守る取組をしてください。」の処理経過は、「JA東京むさしと連携を図り、市へ農地を売却する意向のある農家の情報収集を行っている」となっています。情報収集の具体的内容をお教えください。
- 東京都は、比較的まとまった農地や屋敷林等、特色ある農の風景を保全・育成するため、農の風景育成地区の指定を推進し、現在、杉並区や調布市、町田市などの7地区が指定されています。屋敷林や用水路、たから道など、小平の特色ある農地を保全するため、この制度を活用してはいかがでしょうか。
- 市民菜園は、数年前まで4園ありましたが、仲町菜園や味菜園が閉園し、残り2園となりました。減少の原因と対策は。
3.みどりを確保するための都市計画制度の充実を
- 小平市第三次みどりの基本計画進捗状況報告(令和5年度)では、住宅地における緑化を推進する取組として、緑地協定が締結されている区間での緑化推進への協力要請や、緑化に関する制限を定めた地区計画について触れています。それらの取組の経過と今後についてお教えください。
- 区部では、開発や建築行為に対して、緑化計画書の届出の義務付けが一般的になっており、多摩地域でも八王子市や武蔵野市、三鷹市、国分寺市、狛江市などで、まちづくり条例やみどりの保全に関する条例で250㎡以上や500㎡以上の開発や建築行為に対し、緑化計画書の届出を義務付けています。小平市でも同様の取組を導入できないでしょうか。
- 小平市の都市計画緑地である小川緑地が整備された要因と経緯をお教えください。
4.みどりの確保を進めるための財源について
- 令和5年度決算特別委員会参考資料集の多摩六都の緑化、緑地保存条例の比較を見ると、小平市緑化基金の令和5年度末の現在高1億1126万9千円は、掲載されている5市で最も低く、緑地購入に関する規定も無いものです。減少する樹林地や農地を必要なときに買い取れるような規模と制度をもつ基金にするべきではないでしょうか。
- 日野市は、令和4年度に森林環境譲与税の歳入が2036万円となり、その全額を市内の緑化推進及び緑地保全等に充てるために環境緑化基金に積み立てました。小平市でも、令和5年度に2107万8千円の森林環境譲与税の歳入がありました。森林環境譲与税を市内の緑化推進に活用してはいかがでしょうか。
- 令和5年度決算で、小平市の都市計画税収は24億6834万円あり、そのうち2億7152万6千円が再開発、1憶7141万8千円が下水道などに使われ、余剰額が3億4472万5千円となっています。都市計画税収を農地や樹林地の買取に活用することはできないでしょうか。
上記のとおり、小平市議会会議規則第57条第2項により通告します。
令和6年11月18日 小平市議会議長 殿
小平市議会議員 氏名 水口 かずえ