小平市議会定例会一般質問通告書

質問件名 災害時に向けた井戸の積極的な活用について

 

質問要旨

 昨年1月に発生した能登半島地震では、水道施設が被災して断水が5か月と長期化し、非常時の代替水源として地下水の活用が有用であることが確認されました。昨年6月の国の防災基本計画の改正で、市区町村は、指定避難所において、「入浴、洗濯等の生活に必要となる水の確保」に必要な措置を講じるよう努めることとされ、昨年8月の水循環基本計画の見直しでは、非常時における代替水源としての地下水等の有効活用を推進する、とされました。そして、今年3月、内閣官房水循環政策本部事務局と国土交通省が公表した「災害時地下水利用ガイドライン~災害用井戸・湧水の活用に向けて~」(以下、ガイドラインという)は、日頃から井戸や湧水を使い続ける地域としていくことが、災害に強いまちづくりを後押しする、としています。小平市における災害時に備えた井戸の活用について伺います。

 

1.令和4(2022)年5月に公表された「東京都の新たな被害想定~首都直下地震等による東京の被害想定~」では、多摩東部直下地震(M7.3)が起きた場合、小平市の上水道の断水率は16.6%、下水道管きょの被害率は3.6%とされ、小平市地域防災計画(令和7年修正)では、人口の約16%にあたる約2万9千人の避難者が発生し、そのうち約1万9千人が避難所生活を送ると想定されています。小平市地域防災計画では、上下水道の復旧には約1か月以上を要し、「震災時における飲料水の給水基準は、1日1人当たり3L」とされていますが、生活用水にも給水基準を定めていますか。

 

2.内閣官房水循環政策本部事務局が今年2月に公表した災害用井戸施策実態調査結果(以下、国の調査結果という)によると、調査に回答した1490自治体のうち、公共の災害用井戸があると回答したのは278自治体(18.7%)でした。小平井戸の会が令和6(2024)年に実施した井戸行政アンケート調査では、回答した26市で公共の災害用井戸がないのは、小平市を含めて8市でした。公共の災害用井戸の設置に対する市の考えをお聞かせください。

 

3.国の調査結果では、公共の災害用井戸の設置場所(複数回答可)は、避難所が55.4%、公園が17.7%、その他が26.9%でした。ガイドラインでは、災害時に井戸を利用するには、普段から井戸水を利用して、井戸内に新鮮な地下水が流入できる状態を目指し、備えておくことが望ましい、との観点で、公園清掃への活用やこどもたちの水遊び、防災訓練での利用などの普段利用が重要だとしています。小平市でも、公園に災害用井戸を設置してはいかがでしょうか。

 

4.今年の6月議会で市から提出された採択請願の処理結果について(報告)では、平成29(2017)年2月に採択された「小平市立中央公園内の井戸の修理とその利用について」の請願は、「庁内関係部署や請願者と協議を重ねているが、井戸を復活させるには、請願採択時の請願者の説明にあった金額よりも、工事費が多額の費用となる見込みとなることや、平時の井戸の活用及び維持管理方法などに課題がある。」として「調整中」となっています。多額の費用の見積もりと内訳をお教えください。請願採択後8年以上を経過しており、まだ調整中というのは対応が遅すぎるのではないでしょうか。

 

5.市報こだいらの今年7月20日号によると、現在、115か所の震災対策用井戸が指定されています。ガイドラインには、「電動ポンプを用いている井戸の場合、停電時は利用できない状態となることから、代替電源の確保や手動での併用が可能な構造にするなどの備えが望ましい」と記載されています。115か所のうち、手動でも稼働するのは何か所ですか。

 

6.ガイドラインには、「災害時に代替水源として地下水を活用するためには、平常時から地域の地下水位を観測し、季節変動等地域特性も踏まえ、地域の地下水の実態を把握しておくことが必要である。」と書かれています。東久留米市では、東久留米の井戸水位を調べる会という任意団体が市と協定を結び、震災対策用井戸の水位や簡易水質測定を定期的に実施し、その結果は「かんきょう東久留米」に毎年掲載されるそうです。小平市でも同様の取組はできないでしょうか。

 

7,東久留米市地域防災計画(令和4年2月改訂)では、大規模災害発生時には、医療救護班が震災対策用井戸の状態確認を行うことになっていますが、小平市での体制をお教えください。石川県羽咋市では、地震発生翌日には市のホームページに「利用できる井戸水の案内」として、個人・企業が保有する井戸36箇所の情報を公開したそうです。小平市でも同様に場所が公開されるのでしょうか。

 

8.震災対策用井戸に未登録の既設井戸の存在を把握し、登録を促し、登録数を増やすことも重要です。熊本市では、民間企業が所有する井戸を災害時協力企業井戸として登録し、公開しているそうです。企業所有の井戸も含め、震災対策用井戸の登録数を増やす取組をお教えください。

 

上記のとおり、小平市議会会議規則第57条第2項により通告します。

令和 7年9月1日 小平市議会議長 殿

小平市議会議員 氏名  水口 かずえ                                    


 小平市議会定例会一般質問通告書

質問件名 こども・若者に向けた市の自殺対策の推進を

 

質問要旨

 令和6年の全国の児童生徒の自殺者数は529人と過去最多になりました。そのことを背景に、今年6月に成立した自殺対策基本法の改正案は、こどもに係る自殺対策に社会全体で取り組むことを基本理念に明記し、学校もこどもの自殺の防止等に取り組むよう努めるとされました。小平市における特にこども・若者に向けた自殺対策をお聞きします。

 

1.文部科学省が今年6月30日に出した「児童生徒の自殺予防に係る取組について(通知)」では、「1人1台端末の活用等による心の健康観察などによるSOSの早期把握に努め、児童生徒の自殺の未然防止に取り組む」とされました。市立小・中学校でのその実施状況をお教えください。

 

2.こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議が一昨年6月2日に公表した「こどもの自殺対策緊急強化プラン」には、「公立の小学校、中学校等にスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の配置を促進する等により、教育相談体制の充実を図る」ことが含まれました。市立小・中学校におけるそれらの配置の現状と今後についてお教えください。

 

3.市立小・中学校での「SOSの出し方に関する教育」および「情報モラル教育」の実施状況をお教えください。

 

4.こどもの自殺対策緊急強化プランには、自殺予防として、こどもの居場所づくりを推進することが含まれました。一昨年12月22日に閣議決定された「こどもの居場所づくりに関する指針」では、他者に受け入れてもらえ、交流ができる多様な居場所で、こどもは安心感やおとなへの信頼感を育みながら自己肯定感を高め、また特に支援の必要性が高いこども・若者にとってはセーフティネットとして機能するもので、官民が連携して地域全体の居場所づくりを進めることが必要としています。

①小平市社会福祉協議会が発行する「こだいら居場所ガイドブック」には、主に高齢者向けの居場所が多く掲載されています。こども向けの居場所のガイドブックも作成してはいかがでしょうか。

②いのち支える自殺対策推進センターが昨年1月に発行した「令和5年度版 地域自殺対策政策パッケージ」には、生きづらさを抱える若い女性向けの居場所として、豊島区がNPO法人に委託して月2回サンシャインシティで実施している「ぴこカフェ」が紹介されています。若年女性が安心して過ごせ、悩み事の相談もできる居場所を小平市も実施できないでしょうか。

③「こどもの居場所づくりに関する指針」では、行政は、居場所の活動に多くの者が参加するよう後方支援を行うことが必要、としています。例えば、みたかプレイパークは、三鷹市と市民による運営委員会が協働で運営しています。こどもの居場所として重要なプレイパークの実施運営を小平市も支援できないでしょうか。

 

5.平成18(2006)年成立の自殺対策基本法は、第一条で、自殺者の親族等の支援の充実を図ることも目的とし、第二十二条では、国及び地方公共団体は、民間の団体が行う自殺の防止、自殺者の親族等の支援等に関する活動を支援するため、助言、財政上の措置その他の必要な施策を講ずる、としています。また、令和4(2022)年10月に閣議決定された第4次自殺総合対策大綱は、遺された人への支援を充実することを重点施策の一つに掲げ、遺族の自助グループ等の運営支援や、遺児等への支援を行うとしています。

①遺児等への支援は、地域における遺児等の支援活動の運営、等を支援する、としていますが、小平市での支援状況は。

②東京都が今年4月に発行したパンフレット「身近な人、大切な人を亡くされた方へ」は、遺族の集いとして、昭島市・立川市わかちあいの会や、日野市・多摩市わかち合いの会などを紹介しています。どちらも、月に1回、身近な人を自死で亡くした方が集まり、語り、聴き合い、支え合う場として、2市が共催で実施しています。また、町田市は、民間団体によるわかちあいの会『まちだ』ゆっくりカフェを後援しています。小平市でも、このようなわかちあいの会を実施あるいは支援できないでしょうか。

③「身近な人、大切な人を亡くされた方へ」は、遺族の集いのほかにも、各種相談窓口や生活支援について、悲しみの中でも必要な手続き、などを掲載しています。このパンフレットを市のおくやみ窓口に配備し、希望者に渡してはいかがでしょうか。

 

6.いのち支える自殺対策推進センターのホームページは、大学生の自殺者数が2019年から増加し、2024年は434人に達したことを紹介する記事を今年6月17日に掲載しました。年齢別では21歳、22歳の自殺者数が多く、特に女性の大学生での増加傾向が顕著です。「令和5年度版 地域自殺対策政策パッケージ」には、東京都が平成27(2015)年度から実施している大学生が企画・運営に協力する大学生向けこころといのちの講演会や、長野市が市内大学と連携して行った大学生向けのゲートキーパー講座などが紹介されています。小平市でも、大学生向けの自殺対策を実施できないでしょうか。

 

7.昨年3月発行の第2次こだいら健康増進プランでは、こころの健康(小平市自殺対策計画)の重点施策として、ゲートキーパー(悩んでいる人のSOSサインに気づき、声をかけ、話を聞き、必要な支援につなげて見守る人)の養成、周知・啓発を掲げ、ゲートキーパー養成研修の受講者(職員)を年18人から令和11(2029)年度までに年40人に増やす、ゲートキーパーに関する講演会等の受講者(市民)を年40人とする指標を設定しました。その指標の進捗状況をお聞きします。

 

上記のとおり、小平市議会会議規則第57条第2項により通告します。

令和 7年 9月 1日 小平市議会議長 殿

小平市議会議員 氏名  水口 かずえ


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